ビジネス文書作成の基本ルール6選と曖昧NGワード10選。改善文例つき

このコラムは次のような方に向けて執筆しています!
  ビジネス文書をもっと分かりやすく書きたい方
  曖昧な表現を避けて信頼される文章を書きたい方
  社内外で使える文書マナーを知りたい方

デジタル時代の到来により、ビジネス文書作成スキルは、重要度を増しています。テレワーク(在宅勤務)従事者なら、なおのことでしょう。このデジタル時代において、文章力が低いと、仕事にも悪影響をもたらしかねません。反対に、文章力が高いと、「この人は仕事できるな」と好評価されやすくなります。

そこで今回は、ビジネス文書作成に欠かせない基本ルールと曖昧NGワードついて、ご紹介していきます。文章力向上に、ぜひお役立てくださいね。

ビジネス文書作成の基本ルール6選

ビジネス文書作成の基本ルールは、主に6つあります。

基本1.一文一義を意識する

ビジネス文書を書くうえで、一文一義(1文1情報)の原則を守りましょう。1文にあれもこれも詰め込むと、何が言いたいのかよくわからない説明がだらだら続く長文になりがちだからです。

▼NG例

昨日の会議で決まった件についてお伝えしたいと思っておりまして、広告予算は50万円になり、広告クリエイティブ制作の納期は来月末の予定で、相手方の担当者はマーケティング部の田中様です。

▼OK例

昨日の会議で決まった件についてお伝えします。広告予算は50万円です。広告クリエイティブ制作の納期は、来月末の予定です。相手方の担当者は、マーケティング部の田中様になります。

上記例文の場合は、2文目以降を箇条書き(体言止め)にしてもよいでしょう。

基本2.重要度順(逆三角形)で書く

逆三角形、つまり「結論→詳細→補足」などの重要度順に書くことが、ポイントになります。

忙しいビジネスパーソンの方でも、すぐに要点把握できるようにするためです。

▼NG例

A社の商材情報が見つからなくて、困っております。

現状としては、公式サイトの情報が少なくて、資料作成に時間がかかっています。

リサーチ業務が難航しているのですが、納期を1日延ばしていただけませんか。

▼OK例

リサーチ業務が難航しているのですが、納期を1日延ばしていただけませんか。

現状としては、公式サイトの情報が少なくて、資料作成に時間がかかっています。

A社の商材情報が見つからなくて、困っております。

結論を先に述べて、そのあとに理由や背景を述べる構成にしましょう。

基本3.形容詞を多用しない

わかりやすい文章には、実は、形容詞があまり使われていません。形容詞は主観的な表現であり、意味が不明瞭や不正確になりやすいからです。

▼NG例

B社は、給料が高くて、働きやすい会社です。

▼OK例

B社は、平均年収700万円以上で、始業時刻と終業時刻を自由に選べるフレックスタイム制を導入している会社です。

形容詞は使わないようにすると、おのずと事実ベースの書き方になっていくと思います。

基本4.冗長表現や二重表現を避ける

冗長表現の多用や二重表現(重複表現)の使用は、基本的には避けるようにしましょう。

冗長表現も二重表現も、テンポが悪くて、回りくどい印象を与えかねないからです。

▼NG例

①~することができる/~ということです(冗長表現)

②一番最初/必ず必要/最もベスト(二重表現)

▼OK例

①~できる/~です(冗長表現を改善)

②最初/必要/ベスト(二重表現を改善)

冗長表現は使いすぎが要注意な一方で、少し使うぶんには、あまり問題になりません。

二重表現は間違いと指摘されやすいものの、厳密に言うとグレーゾーンな面があります。

とはいえ、どちらの文章もくどくなりやすいので、基本的に避けるのがおすすめです。

基本5.主語・述語のねじれに注意する

主語と述語が離れた文章を書くと、わかりづらい文章になります。

特に、主語と述語が対応していない、ねじれた文章になることが多いです。

▼NG例

弊社は、創業3年で100社以上の会社様へのサービス導入実績があり、マーケティング支援と人材紹介の両面からサポートしてきたのが、強みの源泉です。

▼OK例文

弊社の強みの源泉は、マーケティング支援と人材紹介の両面からサポートしてきたことです。創業3年で100社以上の会社様へのサービス導入実績があります。

主語と述語は、できるだけ近づけるようにしましょう。

基本6.難しい用語は初出時に定義する

難しい専門用語や略語は、初出時で説明するのが親切と言えます。

小難しい話をするときは、理解しやすいように配慮を加えるのがポイントです。

▼NG例文

SEOとLLMOのどちらも、E-E-A-T対策が重要です。

▼OK例文

SEO(検索エンジン最適化)とLLMO(大規模言語モデル最適化)のどちらも、E-E-A-T対策が重要です。E-E-A-T対策とは、経験・専門性・権威性・信頼性という4要素を強化する施策になります。

読み手の知識レベルが高い場合は、知っている前提で書いても問題ありません。

専門家向けの文章で、細かい定義を逐一書くと、逆にまどろっこしい書き方になってしまいます。

ビジネス文書の曖昧NGワードあるある10選

ビジネス文書を作成するうえで、特に気をつけたい曖昧NGワードは、主に10個挙げられます。

これらの言葉は抽象的すぎて、具体的に何をするのか不明瞭になりがちです。

曖昧NG1.最適化します

「最適化します」という曖昧NGワードは、「①言い換えるか、②補足説明を加えるか」の改善余地があります。

▼NG例

最適化します。

▼OK例

①入札単価と配信時間帯を調整し、CPAを15%高めます。

②最適化します。具体的には、入札単価と配信時間帯を調整し、CPAを15%高めます。

※専門用語を使う場合は、相手の知識レベルに応じた用語解説も必要です。

曖昧NG2.効果検証します

「効果検証します」という曖昧NGワードは、「①言い換えるか、②補足説明を加えるか」の改善余地があります。

▼NG例

効果検証します。

▼OK例

①LP改善案Aと現行BをABテストし、CVRを比較します。

②効果検証します。具体的には、LP改善案Aと現行BをABテストし、CVRを比較します。

※専門用語を使う場合は、相手の知識レベルに応じた用語解説も必要です。

曖昧NG3.改善します

「改善します」という曖昧NGワードは、「①言い換えるか、②補足説明を加えるか」の改善余地があります。

▼NG例

改善します。

▼OK例

①問い合わせフォームの入力項目を削減し、送信完了率を20%向上させます。

②改善します。具体的には、問い合わせフォームの入力項目を削減し、送信完了率を20%向上させます。

曖昧NG4.対応します

「対応します」という曖昧NGワードは、「①言い換えるか、②補足説明を加えるか」の改善余地があります。

▼NG例

対応します。

▼OK例

①本日17時までに見積書を作成し、メール送付します。

②対応します。本日17時までに見積書を作成し、メール送付する予定です。

曖昧NG5.調整します

「調整します」という曖昧NGワードは、「①言い換えるか、②補足説明を加えるか」の改善余地があります。

▼NG例

調整します。

▼OK例

①来週の会議日程を「水曜の朝9時」に変更します。

②調整します。具体的には、来週の会議日程を「水曜の朝9時」に変更します。

曖昧NG6.早急に対応します

「早急に対応します」という曖昧NGワードは、「①言い換えるか、②補足説明を加えるか」の改善余地があります。

▼NG例

早急に対応します。

▼OK例

①今日中(18時まで)に修正版を送付します。

②早急に対応します。今日中(18時まで)に修正版を送付する予定です。

曖昧NG7.検討します

「検討します」という曖昧NGワードは、「①言い換えるか、②補足説明を加えるか」の改善余地があります。

▼NG例

検討します。

▼OK例

①来週の月曜日までに、A案とB案のメリット・デメリットを洗い出します。

②検討します。まずは、来週の月曜日までに、A案とB案のメリット・デメリットを洗い出します。

曖昧NG8.確認します

「確認します」という曖昧NGワードは、「①言い換えるか、②補足説明を加えるか」の改善余地があります。

▼NG例

確認します。

▼OK例

①デザインやコーディングの進捗状況を確かめて、現状報告します。

②確認します。デザインやコーディングの進捗状況を確かめて、現状報告します。

曖昧NG9.共有します

「共有します」という曖昧NGワードは、「①言い換えるか、②補足説明を加えるか」の改善余地があります。

▼NG例

共有します。

▼OK例

①本日の議事録を15時までにTeamsへアップします。

②共有します。本日の議事録を15時までにTeamsへアップします。

曖昧NG10.強化します

「強化します」という曖昧NGワードは、「①言い換えるか、②補足説明を加えるか」の改善余地があります。

▼NG例

強化します。

▼OK例

①SNS広告の配信頻度を週2回から週4回に増やします。

②強化します。具体的には、SNS広告の配信頻度を週2回から週4回に増やします。

ビジネス文書作成のまとめ

最後に、今回のポイントをおさらいしましょう。

ビジネス文書作成の基本ルールは、以下の6つです。

  1. 一文一義を意識する
  2. 重要度順(逆三角形)で書く
  3. 形容詞を多用しない
  4. 冗長表現や二重表現を避ける
  5. 主語・述語のねじれに注意する
  6. 難しい用語は初出時に定義する

また、「改善します」「対応します」「検討します」のような曖昧表現には要注意です。

改善策としては、言い換えたり、補足説明を加えたりする方法があります。

日常業務での文書作成やメール作成の際に、活用してもらえると幸いです。

この記事の著者

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