ERPとは?基幹システムとの違いや導入の流れをわかりやすく解説

このコラムは次のような方に向けて執筆しています!
  ERPの基本を理解したい経営者・マネージャー
  基幹システムやERPパッケージの違いを知りたい方
  ERP導入を検討している情報システム担当者

ERP(Enterprise Resources Planning)は、生産管理・販売管理・会計管理など、経営管理業務を一元的に統合するシステムです。この記事では「ERPの特徴」「基幹システム・ERPパッケージとの違い」「ERP導入の流れ」についてわかりやすく解説します。業務効率化や経営判断の迅速化を目指す企業にとって必見の内容です。

ERPとは?

ERPは「エンタープライズ・リソース・プランニング」の略で、日本語に直訳すると「企業資源計画」。つまり、企業が持つ「ヒト・モノ・カネ・情報」といった経営資源を一元管理し、効率的に活用する仕組みです。代表的な機能には以下があります。

  • 生産管理
  • 販売管理
  • 会計管理
  • 人事管理
  • 営業管理
  • 購買管理

これらをバラバラに運用するのではなく、一元管理することで「業務効率化」「重複作業の削減」「データの正確性向上」につながります。100社あれば100通りのERPがあると言われるほど、自社に合わせた設計が必要です。

ERPと基幹システムの違い

ERPと基幹システムは混同されがちですが、本質的には異なります。

  • 基幹システム – 生産・販売・会計などを独立したシステムとして最適化する仕組み。
  • ERP – 各部門を一元的に統合し、経営全体を最適化する仕組み。

つまり「部分最適を目指すのが基幹システム」「全体最適を目指すのがERP」と言えます。

ERPパッケージとは?

ERPパッケージとは、基幹業務(生産・販売・会計など)を一つにまとめたソフトウェアのことです。スクラッチ開発(ゼロから構築)するERPと比べて、短期間・低コストで導入できるのが特徴です。多くの企業はこのERPパッケージを導入しており、一般的に「ERP導入=ERPパッケージ導入」と言われることもあります。

  • ERP – オーダーメイド型。すべて統合、一元管理。
  • ERPパッケージ – セミオーダー型。既存システムを組み合わせ、必要に応じて統合。

ERP導入のメリット

1.業務効率化&生産性向上

データ入力や管理が一元化され、重複作業や入力ミスが減少。人手や時間の削減により、本来注力すべき業務にリソースを回せるようになります。

2.経営の見える化&迅速な意思決定

ERPはリアルタイムに経営データを可視化できます。これにより、現場の状況を即座に把握し、迅速で正確な意思決定が可能になります。特に市場環境の変化が激しい現代においては大きな強みです。

3.内部統制&ガバナンス強化

ERPは承認フローやアクセス権限を細かく設定できるため、不正や情報漏洩を防止。内部統制の仕組みを強化し、ガバナンス向上にもつながります。

ERP導入の流れ(6ステップ)

  1. 導入目的を明確化 – 業務効率化かDX推進か、目的を言語化。
  2. プロジェクトチームの設立 – 役員クラスのリーダー+各部門のエース級メンバーで構成。
  3. 業務棚卸し – 現状業務を洗い出し、改善余地を把握。
  4. 新業務フローの設計 – 棚卸しを基に効率化された業務プロセスを構築。
  5. テスト運用 – 実際に使って問題点を洗い出し、修正。
  6. 本格運用 – マニュアル整備・社内展開・ベンダーサポートを活用。

これらのプロセスを踏むことで、ERP導入の成功率を高められます。

まとめ

ERPは、企業の基幹業務を一元的に統合し、効率化と競争力向上を実現する強力なツールです。基幹システムやERPパッケージとの違いを理解し、自社の目的に合った導入方法を選ぶことが重要です。正しく導入すれば「業務効率化」「経営の見える化」「ガバナンス強化」といったメリットを享受でき、企業成長の大きな支えとなるでしょう。

この記事の著者

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