ビジネスにおける目標設定は、ただ数値を決めればよいわけではありません。上司や経営層が「納得する」目標であることが重要です。そのためには、具体性があり、達成可能で、組織戦略に合致していることが求められます。
そこで役立つのが、世界中で活用されている「SMARTの法則」です。本記事ではSMARTの法則の5要素を解説し、ビジネスや個人の場面でどのように活用できるかを具体的に紹介します。
SMARTの法則とは?
SMARTの法則は、目標を設定する際のフレームワークで、次の5つの要素の頭文字を取ったものです。
- Specific(具体的)
- Measurable(計測可能)
- Achievable(達成可能)
- Relevant(関連性)
- Time-bound(期限設定)
これらの要素を満たすことで、曖昧な目標ではなく、組織や個人が実際に達成できる「納得感のある目標」を作成することが可能になります。
Specific(具体的)
目標は「売上を伸ばす」ではなく、「新規顧客の獲得数を前年比20%増やす」といった具体的な表現にする必要があります。曖昧な目標は行動につながらないため、誰が見てもわかるレベルまで明確にしましょう。
Measurable(計測可能)
目標は数値や指標で測れる形にすることが大切です。例えば「顧客満足度を高める」ではなく、「顧客アンケートの満足度スコアを80点以上にする」といった形にすれば、達成度を客観的に評価できます。
Achievable(達成可能)
現実的で手の届く範囲に設定することも欠かせません。不可能な数値を掲げると、モチベーションが下がり逆効果です。挑戦的でありつつも、リソースやスキルを踏まえて「達成できる」ラインを見極めましょう。
Relevant(関連性)
目標は組織の戦略やビジョンと一致している必要があります。例えば「SNSフォロワー数を増やす」こと自体は目的ではなく、「新規顧客の獲得につなげるためのSNSフォロワー増加」であれば関連性が明確になります。
Time-bound(期限設定)
「いつまでに」達成するのかを設定しない目標は、後回しにされがちです。「2025年3月末までに」など具体的な期限を明示することで、行動に緊張感と優先順位が生まれます。
そもそも目標とは何か?
目標とは、個人や組織が達成を目指す具体的な結果や成果のことです。目標を持つことで、行動の方向性が明確になり、取り組むべき課題や優先順位が整理されます。また、達成に近づくことでモチベーションも高まります。
ビジネスでは「売上の向上」「新製品開発」「顧客満足度改善」などが典型例です。個人であれば「資格取得」「健康的な生活習慣の定着」「キャリアアップ」などが挙げられます。
SMARTの法則を使った目標設定の実例
例えば、営業部門で売上を伸ばす場合、以下のようにSMARTの法則を当てはめられます。
- Specific:新規顧客の契約件数を増やす
- Measurable:月間契約件数を20件に設定
- Achievable:既存の営業人数と商談数から逆算し、達成可能
- Relevant:売上拡大という会社の目標に直結
- Time-bound:2025年3月末までに達成
このようにSMARTを活用することで、「誰が見ても納得できる目標」を作成できるのです。
目標はすべてSMARTに作ればOK!
ビジネス施策を実行する際には、内容だけでなく必ずSMARTな目標をセットにしましょう。これにより上司や経営層からのダメ出しが減り、チーム全体が納得感を持って行動できます。
状況に応じて柔軟に修正しながらも、「SMARTを基準に目標を設定する」習慣を持つことが、成果を出すための第一歩です。
まとめ:SMARTで納得感のある目標を
SMARTの法則は、目標を具体的にし、計測可能で、現実的かつ組織戦略に合致し、期限を持たせることで、実行力のある計画を生み出す手法です。
「目標はSMARTに」。これを合言葉に設定すれば、上司や社長からの信頼を得やすくなり、組織成果にも直結します。ぜひ明日からの目標設定に取り入れてみてください。