HubSpotを使いこなすうえで、「リードステータス」「ライフサイクルステージ」「パイプライン」という言葉に戸惑ったことはありませんか?一見似ているこれらの項目は、それぞれ役割や用途が異なります。意味を正しく理解して使い分けることで、営業・マーケティング活動が格段にスムーズになり、HubSpotの効果を最大限に引き出すことができます。この記事では、これら3つの概念についてわかりやすく解説します。
ライフサイクルステージとは? 〜見込み客の“全体像”を捉える〜
ライフサイクルステージ(Lifecycle Stage)は、「そのコンタクトがどのフェーズにいるか」を表す、マーケティングと営業の“全体的な関係性”を示す項目です。
ステージ | 意味 |
---|---|
Subscriber(購読者) | メルマガなどを購読している |
Lead(リード) | 問い合わせや資料DLをした |
Marketing Qualified Lead(MQL) | マーケ視点で営業に渡せると判断 |
Sales Qualified Lead(SQL) | 営業が商談可能と判断 |
Opportunity(商談) | 実際に商談が発生している |
Customer(顧客) | 受注・契約が完了した |
Evangelist(推奨者) | ファン・紹介者など |
Other(その他) | 上記に当てはまらないケース |
HubSpotでは、自動化やスコアリングによって、このステージが自動更新されることもあります。
リードステータスとは? 〜営業活動の“今の状態”を管理〜
リードステータス(Lead Status)は、主に営業が担当している見込み客に対する“現在のアクション状況”を示す項目です。「この人は今、営業担当が接触しているのか?保留中なのか?」といった活動フェーズの管理に使います。
ステータス | 意味 |
---|---|
新規(New) | 初回の連絡前、未対応 |
連絡済み(Open) | 一度連絡したが未対応など |
フォロー中(In Progress) | 商談化に向け継続対応中 |
商談中(Open Deal) | Deal(商談)を作成済み |
失注/保留(Unqualified) | 対象外、タイミングが合わないなど |
契約済み(Converted) | 成約した場合など(任意設定) |
ライフサイクルステージが「SQL」以降のコンタクトに設定されることが多く、営業の進捗管理に欠かせない項目です。
パイプラインとは? 〜案件単位で商談の進捗を見える化〜
パイプライン(Pipeline)は、営業の「案件(Deal)」単位での進捗状況を可視化・管理するための仕組みです。複数の商談ステージ(フェーズ)から構成されており、ステージごとの案件数や金額などをレポート化できます。
商談ステージ | 意味 |
---|---|
初回接触 | アポ取りが成功 |
ヒアリング | 課題やニーズの確認中 |
提案中 | 見積書・提案書を提出済み |
社内調整中 | 稟議・社内確認待ち |
契約待ち | 契約書送付済み |
受注 | 商談成功 |
失注 | 商談不成立 |
パイプラインは、商材や営業プロセスごとに複数作成可能なので、新規営業用・アップセル(顧客単価向上)用などに分けて管理できます。
3つの違いと使い分け方
「リードステータス」「ライフサイクルステージ」「パイプライン」の使い分けは、以下のとおりです。
概念 | 管理対象 | 主な目的 | 使用タイミング |
---|---|---|---|
ライフサイクルステージ | コンタクト(人や会社) | マーケ〜営業の全体的関係性を把握 | 自動またはマーケ判断で更新 |
リードステータス | コンタクト | 営業活動のステータス管理 | 営業が日々更新 |
パイプライン | 商談(Deal) | 案件単位の進捗管理・予測 | 商談発生後に管理 |
これら3つはそれぞれ異なる視点での「フェーズ管理」です。混同せず、役割に応じて正しく使い分けることが重要です。
実務での使い方の例
- マーケティング部門では、ライフサイクルステージを使ってMQLを抽出し、営業にパス
- 営業担当は、受け取ったSQLの「リードステータス」を管理し、活動を記録
- 商談が進んだら「Deal(商談)」を作成し、パイプラインで案件管理
- 成約後はライフサイクルステージを「Customer」に更新し、顧客管理へ
まとめ:HubSpotの真価は「使い分け」にあり
HubSpotには強力な機能がそろっていますが、効果を最大化するには「設計」と「運用」が欠かせません。「ライフサイクルステージ」「リードステータス」「パイプライン」を適切に設定・運用することで、チーム間の連携がスムーズになり、売上にもつながる確実な管理が可能になります。HubSpotを活用し始めたばかりの方も、今一度設定を見直したい方も、これを機に3つの使い分けを整理してみてはいかがでしょうか?