GX（グリーントランスフォーメーション）とは？背景から補助金まで紹介

GX（グリーントランスフォーメーション）とは、実質ゼロの二酸化炭素排出量を目指す社会のためのクリーンエネルギーの取り組みです。

その主な動機には、地球温暖化の懸念、カーボンニュートラルの宣言、政府の優先的な投資エリアなどが考えられます。

GX推進は、企業にもメリットがあり、たとえば「コスト削減」「企業ブランディング」「人材確保の競争優位性」につながるのです。
さらに、「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」といった補助金まで出ます。

今回は、GXの概要・背景・メリット・補助金について、簡単に解説していきましょう。

GX（グリーントランスフォーメーション）とは？
GXが必要とされる背景
GXに取り組むメリット
GX推進で利用できる補助金もある
- 事業再構築補助金（グリーン成長枠）
- ものづくり補助金（グリーン枠）
GX（グリーントランスフォーメーション）のまとめ

GX（グリーントランスフォーメーション）とは？

GX（グリーントランスフォーメーション）とは、温室効果ガス等を排出しない「クリーンエネルギーの活用」に転換するという意味です。
具体的には、温室効果ガスを排出する石油・石炭等の「化石燃料」を使わないで、太陽光・風力・水素等の「自然エネルギー」を積極的に活用していくことを指します。

なおGXは、経済産業省が提唱する「脱炭素社会」の実現に向けた取り組みです。
「脱炭素社会」とは、二酸化炭素排出量が実質ゼロの社会になります。

ちなみにGXに関連した用語に、「DX（デジタルトランスフォーメーション）」があります。
「DX＝デジタル社会の実現に向けた変革」「GX＝脱炭素社会の実現に向けた変革」であり、その両方に取り組むことが望ましいとされているのです。

GXが必要とされる背景

GXが必要とされる背景・理由には、「地球温暖化の問題」「カーボンニュートラル宣言」「政府の重点投資分野」の主に3つが挙げられます。

地球温暖化の問題

地球温暖化は、自然災害や異常気象と関連性があると言われています。
GXに取り組むことは、地球温暖化対策につながり、自然災害や異常気象を食い止めることに役立つのです

カーボンニュートラル宣言

菅政権時代の2020年10月に、日本政府は「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」というカーボンニュートラル宣言をしました。
具体的な取り組みとしては、経済産業省が、下図のような「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を打ち出しています。

（画像引用元：経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」）
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/index.html

政府の重点投資分野

岸田政権時代の2022年6月、新しい資本主義に向けて、「4つの重点投資分野」の1つとしてGXが設定されました。
その「4つの重点投資分野」は、以下のとおりです。

人への投資、科学技術・イノベーションへの投資
スタートアップへの投資
グリーントランスフォーメーション（GX）
デジタルトランスフォーメーション（DX）

GXに取り組むメリット

企業がGX推進に取り組むメリットは、主に「コスト削減」「企業ブランディング」「人材確保の競争優位性」につながることが挙げられます。

コスト削減につながる

GXに取り組むことは、エネルギー使用量の削減になるため、コスト削減を図ることが可能です。
現時点ではコスト削減とまでは言えませんが、太陽光や風力をはじめとした「再生可能エネルギー」の費用も、少しずつ安くなってきています。

企業ブランディングにつながる

環境問題への取り組みは、企業のブランディング形成に寄与し、消費者のブランドイメージ向上につながります。
ブランドイメージが向上すれば、価格競争に巻き込まれることも減っていくでしょう。

人材確保の競争優位性につながる

環境に配慮した経営を行う企業は、クリーンな企業、ひいてはホワイト企業に映ることもあるでしょう。
ホワイト企業のイメージをもってもらえると、採用活動における差別化ポイントにもなり、求職者も増えると考えられます。

GX推進で利用できる補助金もある

企業がGXを推進するともらえる補助金としては、主に「事業再構築補助金（グリーン成長枠）」「ものづくり補助金（グリーン枠）」が挙げられます。

事業再構築補助金（グリーン成長枠）

事業再構築補助金とは、ポストコロナ・ウィズコロナ時代に対応するために、中小企業等の「事業再構築」を支援する補助金です。
「事業再構築」とは、具体的には、新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換・事業再編が挙げられます。

そして、事業再構築補助金に新設された「グリーン成長枠」が、GX推進に活用可能です。
グリーン成長枠は、大きく分けると「エネルギー関連産業」「輸送・製造関連産業」「家庭・オフィス関連産業」の3分野になります。

（画像引用元：経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」）
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/index.html

もっと詳しく知りたい方は、「事業再構築補助金の公式サイト」の公募要領等をご確認ください。
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/

ものづくり補助金（グリーン枠）

ものづくり補助金とは、中小企業・小規模事業者等が「働き方改革・被用者保険の適用拡大・賃上げ・インボイス導入」といった制度変更に対応するための設備投資等を支援する補助金です。
ちなみに正式名称は、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」になります。

そして、ものづくり補助金に新設された「グリーン枠」が、GX推進に活用可能です。
炭素生産性（温室効果ガス排出量当たりの国内総生産＝GDP）向上や温室効果ガス削減に取り組むことで、グリーン枠に応募申請できます。

もっと詳しく知りたい方は、「ものづくり補助事業の公式サイト」の公募要領等をご確認ください。
https://portal.monodukuri-hojo.jp/

GX（グリーントランスフォーメーション）のまとめ

GX（グリーントランスフォーメーション）は、今後の持続可能な社会を築くための重要なステップとなります。経済産業省の取り組みや政府の方針に基づき、企業はこの方向性に乗り移ることで、地球温暖化の問題を緩和しますし、さらには企業ブランディングや人材確保の面でも多くのメリットを享受できます。さらに、支援策も設けられており、企業にとってはGXへの取り組みがこれからの時代の必須となるでしょう。私たち一人ひとりも、GXの取り組みをサポートし、持続可能な未来を共に築いていくことが求められています。

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DXニュース編集部

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