昨今の副業ブームで、「当社は副業禁止」「副業人材は採用しない」などと言っていられない状況になってきました。
副業解禁や副業人材活用を検討せざるをえない状況へと、時代が変化しつつあるのです。
副業対応をするかどうかは、企業の採用力にも大きな格差を生むことでしょう。
本記事では、副業解禁ブームが採用市場に与える影響や、企業側のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
副業解禁ブームが採用市場に与える影響
副業解禁ブームが採用市場に与える影響は、主に2つ考えられます。
影響1．人材の流動性が高くなる
副業解禁により、優秀な人材が1つの企業に縛られず、複数のプロジェクトや企業に関与することが可能になりました。結果として、従来はフルタイムで転職を検討していた人材が、まずは副業として関わるケースが増えています。
これは企業にとって「新しい採用チャネル」となる一方で、従来の正社員採用だけに依存している企業は、人材獲得のスピードで後れをとるリスクが高まります。
影響2．人材獲得競争の土俵が変わる
かつては給与や待遇だけが転職動機の中心でしたが、副業ブームにより「働き方の柔軟性」「スキルを試せる環境」が重視されるようになりました。この流れに対応できる企業は人材を呼び込みやすくなり、逆に「副業禁止」「画一的な働き方」を続ける企業は敬遠される傾向が強まっています。
副業解禁ブームが採用力格差を広げる理由
理由1．副業ニーズの拡大
副業ニーズが高まっているので、副業禁止の就業規則があると、求職者の応募候補から外されてしまうことがあります。そうなると、採用候補者の母集団が少なくなってしまう懸念があるのです。
理由2．人的リソースの多様化
副業人材を採用せず、社内の人的リソースだけで対応しようと思うと限界があります。時代の変化が激しい時代には、副業人材など多様な人的リソースもうまく活用していくことも大切です。
副業解禁や副業人材活用のメリット・デメリット
副業解禁や副業人材活用を実践するメリット・デメリットは、2つずつあります。
メリット1．求職者からのイメージ向上
副業解禁を積極的に打ち出すことで「柔軟で開かれた企業」というイメージを醸成できます。これは求人広告やSNS発信において、大きな差別化ポイントとなります。
メリット2．副業から正社員登用への導線
副業で一定期間働いたあとに、本人・企業双方の合意で正社員登用に至るケースも増えています。リスクを抑えつつ相性を見極められるため、採用ミスマッチを減らせるのがメリットです。
デメリット1．情報や人材の流出リスク
副業を許容することで、社員が競合他社や同業プロジェクトに関わるリスクが増大します。情報漏洩や人材流出の懸念があるため、明確なガイドライン整備が不可欠です。
デメリット2．コミットメント低下
複数の仕事を抱えることで、本業への集中度が下がるケースも考えられます。特に中小企業は人手不足で代わりがいないことが多く、副業に注力されると困るかもしれません。
副業解禁や副業人材活用をするポイント
副業解禁や副業人材活用を実践するポイントは、主に3つです。
ポイント1．副業ルールを明文化する
副業ルール（許容範囲・禁止事項・申請ルールなど）を明文化することで、社員も安心して副業に取り組めます。副業ガイドラインを公開すれば、採用ブランディングにもつながります。
ポイント2．副業人材活用の体制構築をする
業務委託や短期プロジェクトで副業人材を受け入れる体制を整えることで、自社の採用チャネルを拡張できます。必要なときに必要なスキルをもった即戦力人材を確保することもできるでしょう。
ポイント3．組織の活性化につなげる
社内にない知識やノウハウをもった人材と仕事をすることで、組織や職場の活性化を促せます。副業人材との交流によって、新しいアイデアが生まれやすくなり、イノベーションを起こすきっかけにもなるかもしれません。
副業解禁ブームがもたらす採用力格差のまとめ
副業解禁ブームは、単なるトレンドではなく「採用の常識」を変えてしまうほどの大きな変化です。
企業が副業をどう位置づけるかによって、採用力に大きな差が生まれています。
これからの時代、「副業を受け入れる体制を整え、採用と育成に活かせるかどうか」が、企業の生き残りを左右するでしょう。
