Google検索にAI OverviewとAI Mode搭載。検索の概念が変わる次世代体験とは?

2024年、Googleは検索の歴史において大きな転換点となる機能「AI Overview」を発表しました。この機能は、ユーザーが検索した内容に対して、従来の「リンク一覧」ではなく、「AI による概要」を主に画面最上部に表示するものです。

そして2025年に、今度は、画面の全体でAIの回答を表示する「AI Mode」が発表されました。

この記事では、Google検索のAIモードとは何か、その仕組み、メリット・課題、SEOやWebマーケティングへの影響までをわかりやすく解説します。

(注意)
AI OverviewとAI Modeは、Googleがテストを繰り返している状況で、変更される場合があります。

AI OverviewとAI Modeとは?

AI Overviewは、Googleが開発した生成AI「Gemini」を活用し、検索結果の一部として「要約された答え」を自動表示する機能です。これまでは関連ページのリンク先を閲覧するスタイルでしたが、わざわざリンクをクリックしなくても答えを教えてくれるようになりました。

▼AI Overview(AI による概要)の例
(画像引用元:Google)
検索リンクを見る

AI Mode(AIモード)は、AI Overviewがより発展して、画面全体にAIの回答が表示されるようなイメージです。文章(長文)で検索することができて、ChatGPTなどの生成AIを使う感覚に近いと思います。日本ではまだAI Modeを使えないものの、本国アメリカでは利用可能です。

2025年5月21日のGoogle Blog『検索における AI : 情報を超えた知性へ』によると、「AI Modeは、過去の検索履歴に基づいて最適な提案を行う」とのことです。たとえばレストランを探すときは、過去の予約や検索などを考慮して、回答してくれます。

GoogleがAI OverviewとAI Modeを導入した理由

GoogleがAI OverviewとAI Modeを導入した理由は、おそらくGoogle検索をする人が減ってきているからです。

近年の生成AIは、目を見張るような進化を遂げており、ChatGPTをはじめとする生成AIの人気が高まっています。これに伴い一部ユーザーの検索エンジン離れが起き、「それならば、検索エンジンで生成AIを使えるようにしよう」といった感じで、思いきった作戦に出ているのでしょう。

ちなみに、Googleは、リスティング広告(Google)に代わる収入源としても考えている可能性が高いです。というのも、AI OverviewとAI Modeの両方で、広告を掲載すると発表しています。

AI OverviewとAI Modeのメリットと懸念点

AI OverviewとAI Modeのメリットは、なんと言っても、タイパが高いことでしょう。いちいちWebサイトを閲覧することなく、ほしい答えを秒で提示してくれることがあります。このスピード感は、数年前の検索エンジンにはなかった魅力だと思います。

ただ一方で、懸念点もあり、それは生成AIあるあるの1つ「ハルシネーション」です。早く答えを提示してくれるのは、非常にありがたいですが、嘘の情報を回答してしまうことがあります。そのため、まだまだファクトチェックが必要な点は否めない状況です。

AI OverviewとAI ModeのSEOへの影響

SEO担当者にとって、AI OverviewやAI Modeの登場は、大きな転換点になるでしょう。というのも、以下の3つのような影響が出てくるからです。

影響1.サイトを閲覧しない“ゼロクリック検索”が増加

AIの回答を閲覧して満足して、Webサイトを閲覧しないユーザーが増えています。いわゆるゼロクリック検索と呼ばれるもので、CTR(クリック率)に影響を与える可能性が高いです。

影響2.コンテンツの質がより重要に

AIが「要約に使えるコンテンツ」を優先的に読み込むため、構造化データや明確な文章構成が重要になります。また競合他社が発信していない、価値あるコンテンツを作成すると、AIの出典に使われやすくなるでしょう。

影響3.エキスパートコンテンツや一次情報が有利に

信頼性の高い情報源として認識されるため、実体験・研究データ・一次情報などを発信することが今後の鍵です。E-E-A-Tの4要素「経験」「専門性」「権威性」「信頼性」は、できるだけ高めるようにしましょう。

まとめ:検索の未来は「調べる」から「わかる」へ

Google検索にAI OverviewとAI Modeが加わったことで、私たちの検索体験は「リンクを探す」から「答えに出会う」フェーズへと移行しました。

とはいえ、AI精度はまだ万能ではありません。AIの回答はあくまで“入り口”として活用し、情報の出典を確認する意識をもつことが、今後重要になるでしょう。

Web制作者やWebマーケターにとっては、AIに読み取られる価値あるコンテンツを発信し続けることが、新時代のSEO対策となりそうです。

この記事の著者

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