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2023.09.20 WEBマーケティング

ランディングページ最適化(LPO)の具体的な改善方法

ランディングページ最適化(LPO)とは、ランディングページのコンバージョン率(購入率)などを改善することで、売上の最大化を目指す施策です。

ランディングページの主な改善方法としては、「直帰率を下げる」「滞在時間を伸ばす」「CTAクリック率を上げる」などが挙げられます。
そのほか「広告手法別にLPを制作する」「EFO対策をする」「集客単価を下げる」といった改善施策も効果的です。

今回は、ランディングページ最適化(LPO)の具体的な改善方法について、詳しく解説していきます。

LPOとは?

LPOとは、Landing Page Optimizationの略で、「ランディングページ(※1)最適化(※2)」という意味です。

(※1)ランディングページとは
訪問者が着地(ランディング)する最初のページであり、主にWeb広告やSNS広告から連れてくる販売ページ。LP(エルピー)と略されることも多い。
(※2)最適化とは
成果、つまりコンバージョン率(CVR)などを最大化すること。コンバージョン(CV)とは、成約や購入といった意味。

簡単に言うと、LPOは、Web広告などから誘導してきた販売ページでの購入率(コンバージョン率)を最大化するために、最適な施策を講じることです。
詳細はのちほど説明しますが、「セッション数」「直帰率」「滞在時間」「CTAのクリック率」「CPA」などがポイントになります。

コンバージョン率を最大化することは、売上の向上に直結するため、非常に重要です。
イメージしやすいように、一般的な売上の公式「売上=アクセス数×コンバージョン率×客単価」に当てはめて考えてみましょう。

  • 売上100万円のケース
    売上100万円=1,000(アクセス数)×2%(コンバージョン率)×50,000円(客単価)
  • 売上150万円のケース
    売上150万円=1,000(アクセス数)×3%(コンバージョン率)×50,000円(客単価)

このようにアクセス数は何も変わっていないにもかかわらず、コンバージョン率(購入率)が1%向上するだけで、何十万・何百万といった売上の向上につながります。

LPOにおけるKPIと効果測定のポイント

LPO(ランディングページ最適化)施策を実施するうえで、「KPIの設定」と「KPIの効果測定」は欠かせません。

KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、日本語に直尺すると「重要業績評価指標」です。
簡単に言えば、ビジネスにおける目標を数値で設定したものになります。

KPI(重要業績評価指標)の具体例を挙げると「月間セッション数1万」「コンバージョン率3%」といった数値目標のことです。

「KPIの設定」と「KPIの効果測定」について、もう少し詳しく見ていきましょう。

KPIの設定

ランディングページのKPIとして設定されるものは、「セッション数」「直帰率」「滞在時間」「CTAのクリック率」「CVR」「CPA」などが挙げられます。
KPIの設定は、数値化しないと目標が曖昧になってしまうため、数値化して具体的にする必要があるのです。
ちなみに、先ほど挙げた6項目は、どれも「Googleアナリティクス」という無料のアクセス解析ツールで計測できます。

それでは、「セッション数」「直帰率」「滞在時間」「CTAのクリック率」「CVR」「CPA」について、1つ1つ解説していきましょう。

セッション数

セッション数とは、簡単に言うと、Webサイト(ランディングページ)への訪問回数です。
セッションとは、Webサイトに訪問してから離脱するまでの一連の操作になります。
たとえば同じユーザーが朝と夜にWebサイトを訪問したとき、セッション数は2回です。

直帰率

直帰率とは、Webサイト(ランディングページ)にアクセスして、同じサイトの別のページを閲覧せずに、サイトから離脱したセッション数の割合です。
あるページのセッション数が100で、そのうち同じサイトの別のページを閲覧(回遊)しなかったセッション数が70のとき、直帰率は70%になります。

滞在時間

滞在時間とは、Webサイト(ランディングページ)を閲覧した時間の長さです。
滞在時間が長いと、ユーザーが熱心に見てくれた可能性が高いと言えます。
反対に滞在時間が短いと、ユーザーが興味を示してくれなかった可能性が高いです。

CTAクリック率

CTAとは、Call To Action(コール トゥ アクション)の略で、日本語に訳すと「行動喚起」という意味です。
CTAの多くは「お申し込みボタン」のような表示形式になっており、CTAボタンとも呼ばれます。
CTAクリック率は、このCTAボタンなどを押した比率であり、「CTAクリック数÷セッション数」で算出される割合です。

CVR

CVRとは、Conversion Rate(コンバージョンレート)の略で、コンバージョン率、すなわち成約率や購入率のことです。
CVR(コンバージョン率)は、「コンバージョン数÷セッション数」で算出されます。
ちなみに、BtoBやBtoC、商材にもよりますが、ランディングページの平均CVRは、2~3%です。
つまり、商材を購入したりしてくれる顧客は、100人いたら2~3人になります。

KPIの効果測定

上記KPIの効果測定を実施するポイントは、大きく2つです。

  1. 期間・トラフィックソース・セッション数をなるべく合わせる
  2. CV・CPAだけで安易に判断しない

以下、詳しく説明していきます。

1.期間・トラフィックソース・セッション数をなるべく合わせる

期間・トラフィックソース(流入経路)・セッション数をできるだけ合わせてから、「直帰率」「滞在時間」「CTAクリック率」「CVR」「CPA」を比較するのが基本になります。
異なる条件のもとで比較すると、季節や媒体などのバイアスがかかり、正確に比較できないからです。

■悪い例(計測条件が違う)

期間トラフィックソースセッション数
2022年4月~2022年5月Google検索広告1,000
2022年11月~2022年12月Google検索広告
Googleディスプレイ広告
3,000

■よい例(計測条件が同じ)

期間トラフィックソースセッション数
2022年4月~2022年5月Google検索広告1,000
2022年4月~2022年5月Google検索広告1,000

2.CV・CPAだけで安易に判断しない

「CV(CV数)」「CVR(CV率)」「CPA」の数値がよいことが、必ずしも成果につながるランディングページとは限りません。
もしCV・CVR・CPAの数値がよくなっても、直帰率や滞在時間・CTAクリック率が低い場合、ランディングページが改善されたとは言いがたいです。
CV・CVR・CPAだけにとらわれるのではなく、ほかの数値も合わせて見て、よし悪し判断するようにしましょう。

具体的なLPO対策

LPO(ランディングページ最適化)の具体的な改善方法としては、大きく3つあります。

  1. 直帰率を下げる方法
  2. 滞在時間を伸ばす方法
  3. CTAクリック率を上げる方法

それぞれ説明していきましょう。

直帰率を低下させる打ち手

直帰率が90%を超えた場合、直帰率を下げる施策がおすすめです。
扱う商材や流入経路にもよりますが、ランディングページの平均直帰率は、約70~90%になります。
これを踏まえると、直帰率は、平均値である70~90%に入るのが望ましいのです。

直帰率を改善する打ち手としては、以下の3つが挙げられます。

  • ファーストビューの「キャッチコピー」を変更する
  • ファーストビューの「メインビジュアル」を変更する
  • ランディングページページの表示速度を上げる

補足すると、ファーストビューとは、Webサイトを開き、スクロールしていない状態で表示される「最初の画面」のことです。
最初の3秒以内に「このサイトは、よさそうだ」と思ってもらうことが、たいへん重要になります。

滞在時間を増やす打ち手

もしランディングページのコンテンツ分量が多いにもかかわらず、滞在時間が短いとしたら、訪問者が求めているニーズと一致していないと考えられます。

改善方法として、ランディングページ訪問者のニーズと合致させるには、大きく2つです。

  • 自社と競合他社のランディングページを比較する
    競合他社の「製品」「価格」「事例」「お客様の声」「選ばれる理由」などの書き方は、貴重な参考資料になります。
  • ペルソナ設計の見直しをする
    ペルソナすなわちターゲット顧客は、「何に悩んでいるのか」「何を望んでいるのか」といった内面を深掘りしてみるのがおすすめです。

CTAクリック率を上げる打ち手

CTAクリック率を上げる方法は、大きく3つあります。

  • CTAボタンの数を増やす
  • CTAボタンのバリエーションを増やす
  • CTAボタンの文言・デザインを変更する

それぞれ解説していきます。

CTAボタンの数を増やす

ランディングページの最後のほうに、CTAボタンを1つ配置しているだけなら、改善の余地があります。
たとえばファーストビューやページ冒頭付近にもCTAボタンを追加配置するなど、CTAボタンの数を増やすのがおすすめです。

CTAボタンのバリエーションを増やす

ランディングページの最後のほうに、CTAボタンを1つ配置しているだけなら、改善の余地があります。
たとえばファーストビューやページ冒頭付近にもCTAボタンを追加配置するなど、CTAボタンの数を増やすのがおすすめです。

CTAボタンのバリエーションを増やす

「1か月間の無料体験」や「初回割引キャンペーン」といった顕在顧客(いますぐ顧客)層向けのCTAボタンのみ配置しているとしたら、少しもったいないかもしれません。
のちのち買うかもしれない潜在顧客にもアプローチすると、CTAクリック率が向上する傾向があるからです。
たとえば無料ガイドブックといったホワイトペーパーを提供して、代わりに顧客の連絡先を記載してもらうといった見込み顧客獲得の施策も打てます。

CTAボタンの文言・デザインを変更する

CTAボタンの文言(マイクロコピー)を少し変更するだけで、売上が向上するケースも見受けられます。
また、閲覧者の注意を引くデザインにするという観点から、CTAボタンの色を「目立たない色」から「目立つ色(補色など)」に変えることも大切です。

ここまで、「直帰率を下げる方法」「滞在時間を伸ばす方法」「CTAクリック率を上げる方法」を説明してきました。
それでもCVRが改善しないという方も、ご安心ください。
LPO(ランディングページ最適化)の打ち手は、まだ残されています。

全部対策してみたけどCVRが改善しません!

「直帰率を下げる」「滞在時間を伸ばす」「CTAクリック率を上げる」以外のランディングページ改善策としては、次の3つの対策方法がおすすめです。

  • 広告手法別にLPを制作する
  • EFO対策をする
  • 集客単価を下げる

それでは、1つ1つ解説していきます。

広告手法別にLPを制作する

Web広告やSNS広告など、訪問者の流入経路が違えば、最適なランディングページも違うのも当然のことです。

たとえばFacebook広告を経由した訪問者であればビジネスパーソンが多く、Instagram広告を経由した訪問者であれば若い女性が多い傾向にあります。
そんなときは、「ビジネスパーソン用のLP」「若い女性用のLP」など、複数のランディングページを用意するのがベターです。

もっと簡単なやり方として、「顕在層向けのLP」と「潜在層向けのLP」をそれぞれ準備するというのも、有効な打ち手になります。

EFO対策をする

EFOとは、Entry Form Optimizationの略で、日本語に直訳すると「エントリーフォーム最適化」です。

たとえば何かのサービスの申し込みボタンを押すと、住所や現職の情報などの記載欄がたくさんあって、入力する気が失せてしまった経験はありませんか。

そのようなことが起きないように、エントリーフォームでは必要最低限の情報しか入力させない施策が、EFO(エントリーフォーム最適化)になります。

たとえばシンプルに、名前とメールアドレスのみの記載でOKにするといった具合です。

集客単価を下げる

たとえばクリック課金型広告(PPC広告)で集客をしている方は、1クリックあたりに支払う単価である「クリック単価」を下げる工夫も大切です。

クリック単価が下がれば、同じ広告予算内で、たくさんの顧客にアプローチできます。
同じくらいのCVRが見込めるのであれば、より多くの顧客に広告を配信できるに越したことがありません。

GoogleやYahoo! JAPANの検索エンジンの検索結果上部に表示される「検索連動型広告」を利用している方は、「穴場」と言えるような検索キーワードを探してみるのがおすすめです。

まとめ

まとめると、ランディングページ最適化(LPO)の主な改善方法は、以下の6つになります。

  1. 直帰率を下げる
  2. 滞在時間を伸ばす
  3. CTAクリック率を上げる
  4. 広告手法別にLPを制作する
  5. EFO対策をする
  6. 集客単価を下げる

ランディングページをよりよいものに改善して、売上アップを目指していきましょう。

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