伝わる理由付けは「事実→判断基準→判断内容」のセットで伝える

コミュニケーションにおいて「なぜそう考えたのか」を明確に伝えることは、納得を得るうえで非常に重要です。特にビジネスの現場では、意思決定や提案の根拠があいまいでは、なかなか成約には至りません。そこで意識したいのが、「事実 → 判断基準 → 判断内容」の三段構成で理由を伝えること。この順番を守ることで、論理的かつ納得感のあるコミュニケーションが実現できます。

1. 「事実」:まずは動かせない客観情報を提示する

伝えたいことがあるとき、多くの人はすぐに「〇〇だから△△すべき」と結論を語ってしまいがちです。たとえば、「費用対効果が高いからWeb広告を打つべき」「問い合わせ率が低いから申し込みページを改善すべき」といった主張になります。

しかし、これでは解釈がバラバラになってしまうので、まずは「事実」を把握する必要があります。ここでいう事実とは、数字やデータなど、動かしようのない客観的な情報のことです。

事実の例:

  • 今月の広告費は、前月比で20%増加しています。
  • お問い合わせ件数が、前月より30%減少しています。
  • A社では、この施策により売上が1.5倍になりました。

決して変わることのない事実を提示すれば、相手の認識とのズレを減らすことができます。

2. 「判断基準」:なぜそれが問題なのか、評価のモノサシを示す

事実のあとには、その事実をどう評価するかの「判断基準」を明確化します。この部分が抜けると、「なぜそれが重要なのか?」という疑問が生じ、納得されにくくなります。

判断基準の例:

  • CPA(顧客獲得単価)を〇〇円以下にしないと利益が出ない
  • お問い合わせ件数が減ると、商談件数にも大きく影響する
  • 競合他社と比べて費用対効果が低い傾向にある

判断基準は「どのモノサシで良し悪しを測っているのか」を伝える要素です。ここが明確になることで、相手も自分の判断と比較しやすくなります。

3. 「判断内容」:だから、こうすべき/こう考える

最後に「判断内容」を述べます。ここでようやく、自分の意見や結論を伝えます。

判断内容の例:

  • よって、来月の広告費は、10万円に抑えましょう。
  • そのため、早急にLP改善の施策を講じる必要があります。
  • したがって、この施策を一度テスト導入する価値があります。

事実→基準→結論という構造を守ることで、論理が飛躍せず、「納得できる理由付け」になります。

まとめ:論理の順番で信頼が生まれる

伝える力は、相手を納得させ、行動を促す力です。特にビジネスでは、感覚や印象ではなく、論理の順番を守ることで、主張の説得力が大きく変わります。

  • 事実:動かせない客観情報
  • 判断基準:評価のルールやモノサシ
  • 判断内容:結論・意見・提案

この3つの順番で理由付けするクセを身につけることで、あなたの提案や判断は、より伝わり、より動かせるものになるはずです。

この記事の著者

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