CASESTUDY 事例
2020.07.24 事例

【消える記事型広告】薬機法違反で代理店・広告主の”担当者”が逮捕

2020年7月20日、サプリメント販売会社の広告担当者や広告代理店の担当者らが薬機法(医薬品医療機器等法違反)の疑いで大阪府警に逮捕されました。

サプリメントを、医薬品として承認されていないにも関わらず「肝臓疾患の予防に効果がある」などと記事型広告で宣伝した疑いのようです。

今回は、なぜこのような事件が起きたのか、記事型広告に求められる変化、マーケターの立ち振舞について考えてみたいと思います。

記事型広告のおさらい

インターネット広告が誕生して約20年。
バナーブラインドネスが囁かれ、スマートフォンのアドブロックが流行。生活者はインターネット広告を毛嫌いするようになりました。
一方でインターネット広告は成長を続け、2020年にはTVCMの広告出稿料を超え日本最大の広告媒体に成長しました。
出稿企業が増加することで必然的に広告投資対効果が低下する中、有効な施策として台頭している手法がネイティブアドと記事型LPを使った記事型広告です。

ネイティブアドとは?

ネイティブアドとは、従来のバナークリエイティブとは異なり、ニュースサイトの1ニュースのように見せられるクリエイティブが配信できる広告手法です。消費者を広告と気づかせず誘導できることから、クリックしてほしい広告主側・広告収益を得たいメディア側双方にメリットがあります。

記事型LPとは?

記事型LPとは、第三者の目線で商品•サービスを紹介するレビュー記事のようなランディングページで、大手メディアが提供するタイアップ型広告とは異なり、あたかも一般消費者がレビューしているかのように表現しユーザーの購買意欲を高め、製品のランディングページに誘導します。

該当製品のウェブページでは、優れた素材を使用したサプリメントという訴求なので薬機法に抵触する点は素人目線ながら無いので、 問題はやはり記事型LPだったのでしょう。

記事型LPの作成の流れから見る要因。

記事LPは次の流れで作成されます。

  1. ペルソナ作成・分析
    ターゲットの悩みやなりたい姿を仮説します。
  2. 訴求軸決定
    製品・サービスのベネフィットが何なのかを洗い出しペルソナの悩みに合致する訴求軸を見出します。
  3. 構成案作成・執筆
    全体の記事構成を作成し、執筆します。
  4. 監修
    専門家に原稿を監修してもらいます。

これから真相は解明されていくと思いますが、この流れで言えば事件に発展した最大の原因は監修(この場合は薬機法チェック)を入れなかったことでしょう。

理由が予算不足であれ認識の甘さであれ、時間とコストをかけて、誠実に法律と向き合っている企業を馬鹿にした許されざるミスです。薬機法改正の背景には被害を被った生活者が大勢いたことをマーケターは忘れてはならないと思います。

また、この事件に関与した代理店が業界では誰もが知るインターネット広告代理店だった事は、広告主の代理店選定に大きな影響を及ぼすでしょう。
企業規模は関係なく、安全に業務を遂行できる能力(実績・体制)の有無や、代理店担当者個人の経歴が選定基準に入るでしょう。

責任は個人で取らされる。最大限のリスクヘッジを。

今回の事件で、広告主担当者や代理店担当者といった個人が逮捕されています。これは、事が起こったら会社ではなく個人が罰せられる可能性があるということです。
広告主側の担当者は代理店のフラッシュアイデアを鵜呑みにしないこと、代理店側の担当者は広告主から了承もらったからと安直に進行しないこと、両社共におかしいなと感じたら手を引くこともリスクヘッジです。

マネジメントにも求められるデジタルマーケティングへの関心。

法の下で裁かれた製品・企業は、信頼の失墜によって経営への打撃は免れず知らぬ存ぜぬでは済まない事態になり得ます。自社の成長を誰よりも願う経営層だからこそ、数字の良し悪しに加えて製品の売り方や売れ方に着目しましょう。
代理店変更やクリエイティブ変更のタイミングで急激に売上が伸びた場合、施策が成功しているとポジティブに考えたい一方で、この事件を知っている方なら景表法・薬機法に引っかかるような売り方をしていないか?とネガティブに考えるのが普通です。。

変わる必要がある記事型広告

メディアが求めているので記事型広告は無くなりませんが、第三者監修が無い記事型LPは無くなるでしょう。今までグレーな訴求で記事型広告を運用していた代理店やアフィリエイターは稼げなくなり淘汰されると思います。

ポストコロナを生き抜くDXにおいて、デジタルマーケティングは要です。
安く簡単に集客できる方法など存在しませんので、地に足が付いた施策を打ちましょう。




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