【2023最新】画像生成AIとは?仕組みやおすすめツール5選

画像生成AIとは、数十秒~数分ほどで、写真やイラストを自動生成するAIです。

基本的な仕組みは、「大量の画像データを学習する→指示文となるテキストをベクトル化(特徴を数値で抽出)する→確率的に似ている画像を出力する」の3ステップになっています。

最新Webサイト版の画像生成AIツールとしては、「Stable Diffusion」「Midjourney」「Midjourney」「DALL·E 3」「Adobe Firefly」「Visual ChatGPT」あたりがおすすめです。

本記事では、画像生成AIの「仕組み」「おすすめツール5つ」「注意点や問題点」について、わかりやすく解説していきます。

画像生成AIとは、写真やイラストを自動生成するAI

画像生成AIとは、作成したい画像イメージをテキストで指示すると、自動的に写真やイラストを生成するAIのソフトウェアになります。
驚くことに、数十秒~数分といった短い所要時間で、「実写系モデル(超リアル人物画像)」「アニメ風イラスト」「3Dアバター」などの画像を作成してくれるのです。

画像生成AIはビジネス・マーケティング領域での活用も進んでおり、たとえば「お~いお茶 カテキン緑茶」の商品パッケージデザインにも利用されています。

(画像引用元:PR TIMES

補足すると、デザイナーさんの手も加えられており、あくまでも人間と画像生成AIによる共同制作物です。

そしてブログ・SNS・プレゼン資料などに挿入する画像としても活用されており、画像素材サイトの代用として、注目されています。

では、写真やイラストを自動生成する仕組みは、どうなっているのでしょうか。

画像生成AIの仕組みの基礎技術となる生成モデル4選

画像生成AIが、写真やイラストを自動生成する仕組みは、ディープラーニング(深層学習)と呼ばれる機械学習です。

画像生成AIの仕組みを、3ステップでざっくりと説明すると、以下のようになります。

  1. あらかじめ大量の画像データを学習する
  2. 指示文となるテキストをベクトル化(特徴を数値で抽出)する
  3. 確率的に似ている画像をサンプリングして出力する

もっと具体的に説明すると、画像生成AIに使われている基礎技術は、生成モデル(Generative Model)と呼ばれるものです。
生成モデルとは、訓練データを学習し、それらの訓練データと似ている新しいデータを生成するモデルです。

代表的な生成モデル(Generative Model)は、下図の4種類になります。

(画像引用元:What are Diffusion Models?

上記4つの生成モデルについて、それぞれ簡単にご説明しましょう。

生成モデル1.敵対的生成ネットワーク(GAN)

敵対的生成ネットワーク(GAN)とは、「本物のデータ」と「偽物のデータ(ノイズ)」を意図的に競合させて、両者を比較することで、学習を進めていく生成モデルです。
このGANには派生モデル「StyleGAN」「CycleGAN」などがあり、それぞれ得意分野(たとえば高解像度や画像変換)が異なります。

(画像引用元:GAN:敵対的生成ネットワークとは何か

生成モデル2.変分オートエンコーダー(VAE)

変分オートエンコーダー(VAE)とは、教師なし学習(正解データを与えない学習手法)のディープラーニング(深層学習)を用いた生成モデルです。
学習データから特徴をとらえて、その特徴をもとに「学習データと類似したコンテンツ」を新たに生成します。

生成モデル3.フローモデル(Flow-based models)

フローモデル(フローベース生成モデル)とは、Weblio 辞書によると、確率分布の変数変換則を用いた手法である正規化流を活用し確率分布を明示的にモデル化することで、単純な確率分布を複雑な確率分布に変換する生成モデルです。
このフローモデルは、あまり使われていない手法になります。

生成モデル4.拡散モデル(Diffusion models)

拡散モデル(Diffusion models)とは、元の画像データに段階的にノイズを加えたのちに、さかのぼるように段階的にノイズを除去して、データを復元する過程を学習させる生成モデルです。
詳しくはのちほど説明しますが、この拡散モデルは、人気の画像生成AIツールであるStable DiffusionやDALL·E 3のベースになる技術として使われています。

以上が生成モデルの代表例であり、このような技術を組み合わせて、画像が生成される仕組みになっているのです。
詳細な仕組みを知りたい方は、神戸大学の松田卓也名誉教授による「画像生成AIの基礎理論の解説動画」(You Tube)が参考になると思います。

画像生成AIツールおすすめ5選(Webサイト版)

2023年最新のおすすめ画像生成AIツール(Webサイト版)は、主に5つあります。
「Stable Diffusion」「Midjourney」「DALL·E 3」「Adobe Firefly」「Visual ChatGPT」の5つです。
このなかで、「Stable Diffusion」と「Midjourney」が、画像生成AIの二強と言われている状況にあります。

以下、この5つの画像生成AIツールを見比べていきましょう。

おすすめツール1.Stable Diffusion

Stable Diffusion(ステイブルディフュージョン)とは、英国のStability AI(スタビリティーAI)社が、2022年8月23日にオープンソースで公開した画像生成AIツールです。
画像生成の仕組みは、前述した「拡散モデル」という生成モデルがベースになっています。

Stable Diffusionの特徴は、基本的に「無料」「商用利用可能」「作成枚数が無制限」である点です。
Stable Diffusionなら、誰でも気軽に使用することができます。

【参考】Stable Diffusion公式サイト

おすすめツール2.Midjourney

Midjourney(ミッドジャーニー)とは、米国の研究所「Midjourney(製品名と同じ)」で開発された画像生成AIツールです。
なお同研究所は、Discord(ディスコード)というチャットサービスを提供している会社でもあります。

Midjourneyの特徴は、Discordを通じてテキスト入力をして、画像を生成していく点です。
チャット形式なので、プログラミングの知識がなくても操作できます。

ちなみに、無料版は2023年3月28日に利用停止になり、現在は有料プランのみです。

【参考】Midjourney公式サイト

おすすめツール3.DALL·E 3

DALL·E 3(ダリスリー)とは、ChatGPTを提供している米国のOpenAI社が開発した画像生成AIツールです。
DALL·E 3も、Stable Diffusionと同様に、「拡散モデル」という生成モデルが画像生成のベース技術になっています。

DALL·E 3の特徴は、有料版ChatGPT(一般向けのChatGPT Plus、もしくは企業向けのChatGPT Enterprise)で使用できる点です。
なお無料版のDALL·E 3は、「Bingチャット」あるいは「Bing Image Creator」で利用できます。

DALL·E 3は、すでに有料版ChatGPTを使われている方に、特におすすめです。

【参考】DALL·E 3公式サイト

おすすめツール4.Adobe Firefly

Adobe Firefly(アドビ ファイアフライ)とは、米国のAdobe社がリリースした画像生成AIツールです。
なおAdobe社は、PhotoshopやIllustratorといった有名デザインソフトを提供している会社でもあります。

Adobe Fireflyの大きな特徴は、著作権侵害や知的財産権侵害のリスクが極めて低い点です。
Adobe Fireflyでは、Adobe Stock(アドビストック)やパブリックドメインの画像など、著作権者が許諾した画像のみを学習データに使用しています。

著作権の問題をクリアしたいのであれば、Adobe Fireflyがおすすめです。
ちなみに、使用回数の制限はあるものの、無料でも使用できます。

【参考】Adobe Firefly公式サイト

おすすめツール5.Visual ChatGPT

Visual ChatGPT(ビジュアルチャットGPT)とは、米国Microsoft社が開発した画像生成AIツールです。
Visual ChatGPTは、ChatGPTとVisual Foundation Modelsを組み合わせて、ChatGPTに画像生成機能をもたせたツールになります。

Visual ChatGPTの特徴は、基本的に無料、かつChatGPTが使える点です。
ChatGPTとの対話形式で画像を生成できるため、使い勝手もよいと言えます。

【参考】Visual ChatGPT公式サイト

画像生成AIを活用する注意点や問題点

画像生成AIを活用する注意点や問題点としては、法整備が追いついないことであり、「著作権侵害のリスク」や「情報漏洩のリスク」が伴うことです。
それぞれ簡単にご説明しましょう。

注意点1.著作権侵害のリスク

現時点では法律上、画像生成AIで生成した画像は著作権侵害にはならないものの、違法になるリスクを100%に拭いきることは困難な状況にあります。
たとえば、人間側が既存作品をまねしようとしていない場合でも、AIが勝手にまねして生成してしまう危険性があるからです。
またフェアユース(公正利用)の境界線がグレーゾーン化しており、訴えられる可能性がまったくないとは言いきれません。

なお著作権侵害のリスクを限りなく抑えたい方には、Adobe Fireflyのご活用がおすすめです。

注意点2.情報漏洩のリスク

画像生成AIに限った話ではなく、生成AI(ジェネレーティブAI)全般に言えることになりますが、情報漏洩のリスクがあります。
たとえば、機密情報や個人情報などをテキストデータを使用してしまうと、その情報が外部に流出してしまう危険性があるのです。
そのため、生成AIを活用するにあたり、取り扱いルールを決めたり、セキュリティを強化したりする対策が必要になります。

画像生成AIの仕組みとおすすめツールのまとめ

最後に、画像生成AIの「仕組み」と「おすすめツール」について、おさらいしましょう。

画像生成AIの仕組みの基礎技術になるのは、以下のような生成モデル(訓練データを学習し、それらの訓練データと似ている新しいデータを生成するモデル)になります。

  1. 敵対的生成ネットワーク(GAN)
  2. 変分オートエンコーダー(VAE)
  3. フローモデル(Flow-based models)
  4. 拡散モデル(Diffusion models)

これらの生成モデルなどを組み合わせて、画像生成AIツールが作られているのです。

そして、2023年最新のおすすめ画像生成AIツール(Webサイト版)は、以下の5つになります。

  1. 無料、商用利用可能、作成枚数が無制限の「Stable Diffusion」
  2. Discordを通じて画像生成する「Midjourney」
  3. 有料版ChatGPTで使用できる「DALL·E 3」
  4. 著作権侵害のリスクが極めて低い「Adobe Firefly」
  5. 無料かつChatGPTが使える「Visual ChatGPT」

画像生成AIの全体像を把握するのに、役立てていただけると幸いです。