DX(デジタル変革)からAX(AI変革)へ、時代は移り変わろうとしています。
ここ数年のAIブームを振り返ってみると、以下のとおりです。
- 2022年11月30日:ChatGPTがリリース
- 2023年:「生成AI元年」と呼ばれる年に
- 2025年:「AIエージェント元年」が到来
このように、AIは急速な進化を遂げつつあり、AX(AI変革)が起きようとしています。
本記事では、「AXの意味」「AXとDXの違い」「生成AIのビジネス活用事例」について、簡単に解説していきます。自社のビジネスモデル変革・マーケティング変革のヒントになれば幸いです。
AX(AIトランスフォーメーション)とは、どういう意味?
AXとは、AI Transformation(AIトランスフォーメーション)の略で、直訳すると「AI変革」という意味です。具体的には、機械学習やディープラーニング(深層学習)といったAI技術を活用して、ビジネスモデル変革やマーケティング変革などを起こす取り組みになります。
そして近年、特に注目されているのは「生成AI(ジェネレーティブAI)」です。文章生成AI・画像生成AI・動画生成AI・音声生成AIなど、さまざまなAIコンテンツ作成ツールが登場して、ビジネスシーンへの活用が期待されています。
企業がAX(AIトランスフォーメーション)に取り組むメリットは、「業務効率化」「慢性的な人手不足の解消」「顧客満足度の向上」などです。一方のデメリットとして、「ハルシネーション(幻覚)」「情報漏洩」「著作権侵害」などの問題点があります。
課題もたくさんあるものの、人間の代わりにAIが仕事をする時代がやってくる可能性は高く、生成AIを活用しないことは大きなリスクにもなりえます。
AX(AIトランスフォーメーション)とDXの違い
AXとDXの違いは、変革(トランスフォーメーション)を起こす要因が「AI技術か、デジタル技術か」にあります。
DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略で、直訳すると「デジタル変革」です。
AXは「AI変革」で、DXは「デジタル変革」。もっと言うと、AXは「生成AIなどを活用したAI変革」で、DXは「IT・クラウド・IoT(Internet of Things)などを活用したデジタル変革」です。
AXは、DXをさらに一歩進めた「DXの進化版」とも言えるでしょう。
AX(AIトランスフォーメーション)のビジネス業務事例
AX(AIトランスフォーメーション)のビジネス業務事例、なかでも生成AI活用事例に注目すると、主に4つが挙げられます。
業務1.マーケティング
生成AIは、広告制作やコンテンツ制作などのマーケティング業務に活用できます。
広告制作では、広告クリエイティブ(キャッチコピーやバナーデザイン)の自動生成が可能です。ユーザーの行動データや購買履歴に基づき、個別最適化された広告コピーや商品レコメンド文を自動生成できます。
コンテンツ制作では、SEO記事の作成や競合分析、検索意図の把握が可能です。メルマガの場合も、顧客に合わせたパーソナライズされたメールを作成することができます。
業務2.営業支援
生成AIを営業アシスタント代わりとして、書類作成や商談管理の営業支援に活用できます。
書類作成では、顧客に合わせた営業資料や、メール営業リストの作成が可能。商談管理では、商談後の議事録やフォローアップメールの作成が挙げられます。
業務3.カスタマーサポート
顧客からのお問い合わせに、自動応答する「生成AIチャットボット」を作成し、カスタマーサービス業務に活用できます。
従来のFAQでは対応できなかった複雑な問い合わせにも、生成AIを組み込んだチャットボットなら、会話形式で柔軟に対応可能。24時間365日、対応することができます。
業務4.社内文書検索
生成AIを活用することで、社内文書の検索業務が効率化できます。報告書・契約書・議事録・業務マニュアルなどを生成AIに学習させることで、対話形式でピンポイントに情報収集が可能です。
AIが社内ヘルプデスクの役割を担うイメージです。
AX(AIトランスフォーメーション)のまとめ
AX(AIトランスフォーメーション)について、簡単にまとめます。
- AXとは、「AIトランスフォーメーション」の略で、“AI変革”を指します。
- AXは生成AIなどを活用したAI変革、DXはIT・クラウド・IoTなどを活用したデジタル変革です。
- 生成AIの活用例には、「マーケティング」「営業支援」「カスタマーサポート」「社内文書検索」などがあります。
AXは、今後ますます重要なキーワードとなっていくでしょう。