DX認定制度のWeb受付が開始!認定基準・申請方法をご紹介【デジタルガバナンス・コード】

2020年11月9日、経済産業省は「情報処理の促進に関する法律」に基づくDX認定制度のWeb申請受付を開始した。

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する自主的取組を促すため、デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョンの策定・公表といった経営者に求められる対応である「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応する企業を国が認定する制度(DX認定制度)だ。

デジタルガバナンス・コードの狙い

図の画像
出典:経済産業省 デジタルガバナンス・コードより抽出

配車サービスUber、民泊サービスAirbnb、オフィスリースWeWorkなど、グローバルな競争の中で、競合する新たなビジネスモデルにより既存ビジネスが破壊される事例(デジタルディスラプション)も現れてきている。一方で、日本は本格的なDXの取り組みは遅れている。

それは、レガシーシステムがいまだ足かせとなっている企業や、ビジネスモデルの変革の入り口で足踏みしている企業が多いからだという。

こうした背景の中、経営者の主要な役割として、ステークホルダーとの対話を捉え、対話に積極的に取り組んでいる企業に対して、資金や人材、ビジネス機会が集まる環境を整備していくのがデジタルガバナンス・コードの狙いだ。

対象企業は、企業規模や法人・個人事業主を問わないという。

DX認定制度とは?

図の画像2

DX認定制度とは、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応する企業を国が認定する制度。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、本制度に関わる「DX認定制度事務局」として各種相談・問合せ、及び認定審査事務を行っている。

制度の対象

全ての事業者(法人と個人事業者。法人は会社だけではなく、公益法人等も含みます)が対象。

制度のメリット

経済産業省と東京証券取引所が共同で実施する制度「DX銘柄2021」への応募条件となっている。

認定企業はIPAのウェブサイトでDX認定事業者一覧として公開されるなど、DXに前向きな企業としての認知度向上が見込める。

認定基準まとめ

8つの設問に対応するデジタルガバナンス・コードに則り、チェックシート記入・必要添付書類を準備します。

申請に際しては、株式会社であれば取締役会での承認、公表が必要です。

出典:DX認定制度 申請要項より抽出

DX認定制度要項の設問と認定基準、判断基準を見ていきましょう。

「経営ビジョン・ビジネスモデル」に関する設問

■認定基準

デジタル技術による社会及び競争環境の変化の影響を踏まえた経営ビジョン及びビジネスモデルの方向性を公表していること。

■判断基準

機関承認(取締役会設置会社であれば、取締役会の承認。以下同じ。)を得た公開文書に記載されている事項、もしくは、機関承認された方針に基づき作成された内容であって公開文書に記載されている事項を元に行う。

「戦略」に関する設問

■認定基準

デジタル技術による社会及び競争環境の変化の影響を踏まえて設計したビジネスモデルを実現するための方策として、デジタル技術を活用する戦略を公表していること。

■判断基準

機関承認(取締役会設置会社であれば、取締役会の承認。以下同じ。)を得た公開文書に記載されている事項、もしくは、機関承認された方針に基づき作成された内容であって公開文書に記載されている事項を元に行う。

「組織づくり・人材に関する方策」に関する設問

■認定基準

デジタル技術を活用する戦略において、特に、戦略の推進に必要な体制・組織に関する事項を示していること。

■判断基準

機関承認(取締役会設置会社であれば、取締役会の承認。以下同じ。)を得た公開文書に記載されている事項、もしくは、機関承認された方針に基づき作成された内容であって公開文書に記載されている事項を元に行う。

「ITシステム・デジタル技術活用環境の整備に関する方策」に関する設問

■認定基準

デジタル技術を活用する戦略において、特に、ITシステム・デジタル技術活用環境の整備に向けた方策を示していること。

■判断基準

機関承認(取締役会設置会社であれば、取締役会の承認。以下同じ。)を得た公開文書に記載されている事項、もしくは、機関承認された方針に基づき作成された内容であって公開文書に記載されている事項を元に行う。

「成果と重要な成果指標の認定」に関する設問

■認定基準

デジタル技術を活用する戦略の達成度を測る指標について公表していること。

■判断基準

認定にあたっての判断は、公開文書に記載されている事項を元に行う。
指標は以下の通り。

  1. 企業価値創造に係る指標(企業が目標設定に用いるあるいは戦略的なモニタリング対象とする財務指標)、
  2. 戦略実施により生じた効果を評価する指標、
  3. 戦略に定められた計画の進捗を評価する指標が考えられるが、認定に際しては、②指標又は③指標が公表されているか、もしくは、①指標が公表されており、戦略上の取組がどのように①指標にどのように紐づいているかが明確となっていることを求めるものとする。

指標は、定量指標の他、達成したか否かが判断できる定性指標も含まれる。目標値やベンチマークの設定がなされていることが望ましいが、認定に際しては必須要件とはしない。また、原則的には現状値が公表されていることが求められるが、これから実施する戦略の進捗指標など、現状値公表の必要性がない場合は除かれる

「ガバナンスシステム」に関する設問①

■認定基準

経営ビジョンやデジタル技術を活用する戦略について、経営者が自ら対外的にメッセージの発信を行っていること。

■判断基準

経営者名でメッセージが発信されている公開文書等によって確認する。

「ガバナンスシステム」に関する設問②

■認定基準

経営者のリーダーシップの下で、デジタル技術に係る動向や自社のITシステムの現状を踏まえた課題の把握を行っていること。

■判断基準

DX推進指標等により自己診断を実施していることの説明文書等が提出されることをもって確認する。

「ガバナンスシステム」に関する設問③

■認定基準

戦略の実施の前提となるサイバーセキュリティ対策を推進していること。

■判断基準

サイバーセキュリティ経営ガイドライン等に基づき対策を行い、セキュリティ監査(内部監査を含む)を行っていることの説明文書等が提出されることをもって確認する。中小企業においては、SECURITY ACTION制度に基づき自己宣言(二つ星)を行っていることを確認する方法でも可とする。

申請の流れ

STEP1:準備

書類をダウンロードし、「申請のガイダンス」に則って準備をする。

DX認定制度 認定申請書

DX認定制度 申請チェックシート

STEP2:申請

WEB申請システムDX推進ポータルから申請書類・必要書類を提出する。
DX推進ポータルはコチラ

GビズIDの取得がマストです。GビズIDの発行はおおむね2週間かかります。

GビズIDの取得はコチラ

STEP3:審査・承認

IPAでの審査後、経済産業省で認定を行う。申請受理後、認定結果の通知までの期間(標準処理期間)は60日。認定結果はIPAから通知されます。

認定のハードルは低い!ぜひトライしてみましょう。

DXニュースを運営する株式会社ツギノテも「DXリソースデパートメント」などと謡っているので当然取得します。

言ってしまえば、書類を書いて公表すべき設問はホームページでリリースを出せば良いだけななので認定取得のハードルは低いでしょう。

この認定を受けるために、経営者が勉強する。社内で協議するといった行動がDXの最初の一歩になるはずです。

申請・ウェブサイトなどの関連リンクまとめ

DX推進ポータル
https://dx-portal.ipa.go.jp/i/signin/top?d=%2Fu

GビズID
https://gbiz-id.go.jp/top/

DX認定制度 申請要項(申請ガイダンス)
https://www.ipa.go.jp/files/000086670.pdf

デジタルガバナンス・コード
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/dgs5/pdf/20201109_01.pdf

5分で出来る!情報セキュリティ自社診断
https://www.ipa.go.jp/files/000055848.pdf

DX認定制度ウェブサイト
https://www.ipa.go.jp/ikc/info/dxcp.html