株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は10月28日、国内のインターネット広告市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。
インターネット広告市場の動向
2020年度の概況
2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛や店舗の休業・営業時間短縮などの影響により、一時的な広告出稿の抑制がみられた。しかし、下期以降は消費の回復や企業のDX化が急速に進んだことで、市場の伸長率は鈍化したものの最終的にはプラス成長となった。
2020年度のインターネット広告市場規模は、前年度比107.4%の2兆1,290億円と推計する。
2021年度の概況
2021年度は、巣ごもり需要など景気回復を背景としたEC市場の成長やユーザーのネット通販利用の増加などにより、広告主企業のインターネット広告へのシフトが加速。
2021年度のインターネット広告市場は、前年度比114.5%の2兆4,370億円まで拡大する見込み。
コロナ禍で動画広告市場が急成長
コロナ禍における巣ごもり需要で動画視聴者数が増加し、広告メディア(フォーマット)において動画広告が増加傾向にある。動画広告市場の成長背景としては、YouTubeやTikTokなどの動画配信プラットフォームが急成長したことと、動画広告の媒体が増えていることが挙げられる。
また、テレビCMからインターネットの動画広告にシフトする広告も増加傾向。今後はデバイスを跨ぐユーザー(視聴者)が増え、動画広告市場はさらに成長するだろう。
インターネット広告市場の展望
今後、AIを活用した広告運用手法などさらなるDXの進展により、他の媒体からインターネット広告へのシフトが進むだろう。
ソーシャルメディア広告や動画広告などの運用型広告の拡大などにより、2024年度の国内インターネット広告の市場規模は約3.3兆円にまで拡大するものと予測される。
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