はじめに
2025年、採用市場はこれまで以上に売り手市場が加速すると言われています。少子高齢化による労働人口の減少、採用コストの高騰、候補者側のキャリア観の変化──これらが重なり、従来の求人広告だけでは母集団を十分に確保することが困難になってきました。(参照:2025年完全版 採用市場の動向と採用戦略)【外部サイト】
その中で注目されているのが「リファラル採用(社員紹介採用)」です。社員のつながりを活用し、従来の採用手法ではリーチが難しい潜在層にアプローチできるため、国内でも急速に普及が進んでいます。実際、2024年度のリファラル・アルムナイ採用支援市場は前年比1.69倍に拡大したという調査もあります。(参照:矢野経済研究所)【外部サイト】
しかし「導入するだけ」でうまくいく制度ではありません。制度設計を誤れば、紹介件数は増えず、社内の不公平感やモチベーション低下を招くこともあります。(参照:企業の人事・採用職に聞いた調査)【外部サイト】
本記事では、2025年にリファラル採用が“当たり前”になる前に、企業が押さえておくべき制度設計のポイントを整理します。
リファラル採用が注目される背景
採用コストの高騰
求人広告のCPC上昇、人材紹介の手数料30〜35%の一般化など、採用コストは増加の一途です。リファラル採用は外部コストを削減できる手法として期待されています。
候補者の「転職顕在化」前に接触できる
転職サイトは「転職したい人」に限定されます。対してリファラルは、転職を考えていない潜在層に接触できるのが強み。競合に奪われる前に関係構築が可能です。
カルチャーフィットの担保
社員自身が「自社に合う」と思う人を紹介するため、文化や価値観のフィット感が高い人材を獲得しやすくなります。早期離職対策としても有効です。
制度設計で失敗する企業の共通点
インセンティブが曖昧
紹介してもメリットがわからなければ制度は広まりません。金額・支給タイミング・対象範囲を明確にする必要があります。
紹介フローが複雑
「どこから申請?」「誰に伝える?」と迷うと社員は離脱します。直感的に使えるフローが必須です。
社内広報が不十分
制度は導入して終わりではなく、継続的な周知が重要です。成功事例の共有や定期リマインドが不足すると制度は忘れられます。
成功するリファラル制度設計のポイント
1.インセンティブ設計を明確にする
金銭報酬だけでなく、表彰・特典・キャリア支援など「非金銭的インセンティブ」も有効です。面談段階など複数タイミングで小報酬を出すと活性化します。
2.簡単で使いやすい仕組みを整える
専用フォームや社内アプリで「ワンクリック紹介」を実現。手間を徹底的に排除します。
3.社内で成功事例を共有する
紹介が成功した事例をストーリーとして共有することで、制度の有効性を社内に浸透させます。体験が広がるほど紹介は増えます。
4.採用担当者が伴走する
紹介して終わりではなく、候補者フォローやキャリア相談を丁寧に行うことで社員の安心感が高まり、紹介が継続します。
リファラル採用と他手法の組み合わせが必要
リファラルだけでは母集団を作りきれない
社員数が多くても限界があります。特に専門職や幹部候補はリファラルだけでは不足します。
人材紹介とのハイブリッド戦略
リファラルで潜在層へ、人材紹介で専門層へ。両軸を組み合わせることで母集団形成が安定します。
BPOで制度運用を安定させる
面接調整、インセンティブ管理など複雑な運用はBPOで代行。採用担当者は戦略業務に集中できます。
当社が提供できる価値
当社では、リファラル採用の制度設計から運用まで、一気通貫で支援しています。
・制度設計支援:インセンティブ・フローなどの設計
・人材紹介:リファラルで不足する専門ポジションを補完
・採用BPO:面接調整・候補者フォロー・社内広報まで代行
リファラル採用を“形だけ”で終わらせず、成果に直結する仕組みづくりを支援します。
まとめ
2025年はリファラル採用が「特殊な取り組み」ではなく「当たり前の手法」となる年です。しかし、制度設計を誤れば、効果を発揮せず社内に不満を生むリスクもあります。
企業担当者が押さえるべきポイントは、明確なインセンティブ設計・シンプルな運用・成功事例の共有・外部リソースの活用。
リファラル採用を軸にしつつ、人材紹介やBPOを組み合わせることで、採用のスピードと質を両立できます。










