転職活動でよく聞かれる質問の1つが「この離職期間は何をしていましたか?」という“空白期間”にまつわる話です。とりわけ日本企業は空白期間に手厳しい傾向にあり、ブランク理由の答え方が選考結果を大きく左右します。本記事では、空白期間をポジティブに伝えるコツと、実際の回答例を解説します。
空白期間は必ず聞かれる?面接官の本音とは?
転職面接で、面接官が空白期間(ブランク)の理由を聞くのは、次のような懸念があるからです。
- 仕事をすぐに辞めてしまわないか
- 怠惰なニートではないか
- 同じブランクをつくらないか
また面接官も人間であり、「なぜ、この人を通過させたんだ」と上司や経営陣から言われたりすると困ります。要するに、何かあったときに責任をとりたくないといった本音もあることでしょう。
そのため、空白期間をどう過ごしてきたのかを聞いて、問題がないことを確認しておく必要があるのです。とすれば、面接官に問題がないと判断してもらえば、面接通過率が高まると予想されます。
ただ、1つ補足しておくと、3カ月以内の短い空白期間であれば、許容範囲とみなされることも多いです。
空白期間の伝え方のポイント3つ
転職面接における空白期間の伝え方のポイントは、主に3つです。
1.素直かつ前向きに説明する
虚偽内容やごまかしはバレる可能性が高いですし、面接官も嘘をついていないか躍起になって確認してくるでしょう。とはいえ、「特に何もしていませんでした」というストレートすぎる答え方では、大きく減点されてアウトになる可能性が高いです。ではどうするかと言うと、「家族の介護に専念していましたが、その経験から時間管理や責任感が磨かれました」などと、素直かつ前向きに説明するのがよいでしょう。
2.再就職に向けた努力をアピールする
空白期間中にやっていたことが、少しでも仕事につながる活動であれば積極的に伝えましょう。「資格取得・スクール通学」「副業・フリーランス経験」「業界研究・自己分析」など、再就職に向けた取り組みは高印象になります。たとえば「空白期間にAIの勉強をして、生成AIパスポートの資格を取得しました。業務の効率化に活かしたいと考えています」といった伝え方は、減点要素が少ないでしょう。
3.現在の就業意欲を明確に示す
「これから本気で働きたい」「長く勤めたい」といった意思をしっかり伝えることで、空白期間の不安を払拭できます。ブランクが長ければ長いほど、面接官に「働く意欲がないんだな」と思われるリスクが高くなり、その悪い印象を覆すことが大切です。あなたの回答内容から、面接官が熱意を感じることができるかという視点で、チェックしてみてください。
空白理由別の伝え方【例文つき】
転職面接における空白期間(ブランク)の伝え方を、それぞれ理由別に見ていきましょう。
病気療養の場合
「体調を崩しておりましたが、現在はすっかり回復しました。特に再発リスクも少なく、万全の状態です」
家族の介護
「親の介護のため一時的に離職していました。現在は介護体制が整い、再就職に集中できる環境が整っています」
転職活動が長引いた場合
「納得のいく企業との出会いを重視し、慎重に活動しておりました。空白期間中も業界研究やスキルアップを継続していました」
自己都合での退職(人間関係や燃え尽き症候群)
「前職では業務過多により体調を崩したため退職いたしましたが、しっかり休養を取り、現在は仕事への意欲も回復しています。同じ失敗を繰り返さないよう、業務バランスにも配慮しながら働いていきたいと考えています」
空白期間の説明におけるNG行動
空白期間の説明におけるNG回答は、ひとことで言うと「不誠実な内容」です。
たとえば、以下のように、ごまかそうとすると逆効果になるでしょう。
- 言い訳がましい説明
- 会社や他人のせいにするような発言
- 「何となく」や「やる気が出なかった」など曖昧な説明
- でっちあげたエピソードトーク(バレるリスクあり)
まとめ
キャリアの空白期間があっても、それだけで不利になるとは限りません。重要なのは、「なぜ空白が生まれたのか」「何をしていたのか」「これからどう働きたいのか」を一貫性を持って伝えること。面接で聞かれても動じず、前向きに語れるよう、事前に準備しておきましょう。