ロジカルシンキングの鍛え方12選。論理的思考力のトレーニング方法とは?
ロジカルシンキング(論理的思考力)の勉強をしていると、「難しすぎて実践できない」と思うことはありませんか?
確かに「ピラミッドストラクチャー・ロジックツリー」「Why So?/So What?・MECE」「帰納法・演繹法・弁証法」など、立派な理論があるのはわかりました。
しかし抽象的すぎて「具体的に、どうすればいいの?」「もっと簡単に教えてよ」と、言いたくなりませんか。
そこで今回は、簡単に実践できる「ロジカルシンキングの鍛え方やトレーニング方法」を12個わかりやすく解説していきます。
ロジカルシンキング(論理的思考力)とは
ロジカルシンキングとは、直訳すると論理的思考で、物事を筋道立てて矛盾なく考える思考法です。
具体的には、主張に理由や根拠があり、考えの漏れや重複もない思考になります。
ちなみに、ロジカルシンキングの反対の概念が、何となくの判断を行う直感的思考になります。
この論理的思考力を高めるメリットは、多くの人が理解・納得できることです。
自分の主張を理解・納得してもらえれば、ビジネスにおけるコミュニケーションや提案もうまくいくでしょう。
こういった観点から、ロジカルシンキングは、仕事の生産性向上に役立ち、ビジネスパーソンが身につけたい重要スキルと言えるのです。
では、どのようにロジカルシンキング(論理的思考力)を鍛えていけばよいのでしょうか。
ロジカルシンキング(論理的思考力)の鍛え方・トレーニング方法12選
ロジカルシンキング(論理的思考力)は、筋肉と同じで日々のトレーニングで鍛えることが可能です。
特におすすめできるロジカルシンキングの鍛え方は、全部で12個あります。
- ロジカルシンキングの基本を知る
- ロジカルシンキングのフレームワークを使う
- インプットとアウトプットを繰り返す
- 相手が知りたい結論から先に伝える
- 主張には理由や根拠を添える
- 日常生活なかで論理的思考力を鍛える
- 仮説を立てて行動・検証をする
- ディベート&セルフディベートを行う
- フェルミ推定で概算してみる
- ロジカルシンキング本の例題を解く
- ロジカルシンキングの研修や講座を受講する
- 抽象的表現は具体的表現に置き換える
それでは、1つ1つ詳しく解説していきましょう。
鍛え方1.ロジカルシンキングの基本を知る
ロジカルシンキングの基本は、次の3つの突っ込みどころを残さないことにあります。
- それはなぜ?(Why So?)
- だから何?(So What?)
- 漏れやダブりはないか?(MECE)
「それはなぜ?」「だから何?」は、縦の論理(縦の質問)と呼ばれ、話を深掘りして思考の深さを問う質問です。
一方の「漏れやダブりはないか?」は、横の論理(横の質問)と呼ばれ、話に過不足がないかという思考の広さを問う質問になります。
この縦と横の論理、つまり「それはなぜ?」「だから何?」「漏れやダブりはないか?」という突っ込みどころをなくすことが、ロジカルシンキングの基本中の基本です。
鍛え方2.ロジカルシンキングのフレームワークを使う
基本的なロジカルシンキングのフレームワークには、以下の3つが挙げられます。
ピラミッドストラクチャー
ピラミッドストラクチャーとは、主に主張を整理するために使われる「縦に広がるマインドマップ」のようなものです。
一番上の階層が主張、下の階層が根拠や具体例といった配置になっており、PDF資料やA4用紙などに書き出します。
ロジックツリー
ロジックツリーとは、主に問題解決のため使われる「横に広がるマインドマップ」のようなものです。
主に一番左側に問題、右側に原因や解決策といった配置になっており、マインドマップアプリやPowerPoint資料に書き出します。
グルーピング
グルーピングとは、バラバラな情報をグループに分けて整理する手法です。
グルーピングにより、関連性の高いものと低いものが明確になり、また類似要素の重複などに気づきやすくなります。
上記3つのフレームワークは、XMindなどのマインドマップアプリや手書きのマインドマップを使うと、実践しやすくておすすめです。
ほかにも、「SWOT分析」」「SCAMPER法」「PDCAサイクル」といったフレームワークも、論理的思考力を鍛えるのに効果的です。
鍛え方3.インプットとアウトプットを繰り返す
ロジカルシンキングを鍛えるには、インプットとアウトプットのどちらか一方ではなく、両方行うことが重要になります。
インプット(読む/聞く)
ここでいうインプットとは、論理的な文章や話にできるだけ触れることです。
自分がお手本にしたいと思える本や話し手を見つけることができると、学びのスピードも加速していくでしょう。
アウトプット(書く/話す)
ここでいうアウトプットとは、メールや資料の文章を書くこと、そして会議や日常生活で話をすることです。
せっかくロジカルシンキングを勉強しても、実践しないと畳の上の水練になり、なかなか身につきません。
ロジカルシンキングは、一昼夜で身につけられるものではなく、日々のトレーニングが大切です。
鍛え方4.相手が知りたい結論から先に伝える
結論から先に伝えるには、何か発言する最初のタイミングに「結論から言いますと」と口にしてしまうトレーニング方法がおすすめです。
会議で発言するときやメールを送るときに、「結論から言いますと」を口癖のように使うと、結論ファーストの思考が定着しやすくなります。
そもそも結論が出ていない場合は、「だから何?(So What?)」を繰り返し自分に問いましょう。
この「だから何?(So What?)」を自問自答する作業を怠ると、「結局、何が言いたいの?」と突っ込まれてしまう懸念が高まります。
鍛え方5.主張には理由や根拠を添える
すべての主張に対して、「それはなぜ?(Why So?)」の問いに答える理由や根拠をつけるようにしましょう。
注意点として、理由が1つの場合、納得感が薄くなってしまうケースがあることです。
こんなときは、理由を3つに増やしたり、はたまた理由の理由を考えてみたりするとよいでしょう。
たとえば理由の数で言うと、「安いから」よりも「安い、うまい、早いから」のほうが説得力は増します。
このように、理由や根拠の「数」と「質」を両方補強し、論理性を高めていきましょう。
鍛え方6.日常生活なかで論理的思考力を鍛える
思考の癖は、何年・何十年と積み重なってできているケースが多いため、すぐに論理的思考力を身につけるのは至難の業です。
非論理的な思考の癖を変えようと思ったら、日常生活のなかで、できるだけロジカルシンキングを心がける必要があります。
たとえば「今日の食事は、なぜそれを選んだのか?」「なぜ、今日はその服を着ているのか?」といった具合に、考えようと思えば、いくらでもロジカルシンキングのネタは転がっているはずです。
鍛え方7.仮説を立てて行動・検証をする
行き当たりばったりで行動するのではなく、「こうすれば、うまくいくのでは?」と仮説を立ててから行動することも有効なトレーニング方法になります。
仮説とは、まだ検証されていないが、合っている可能性が高い“仮の答え”です。
仮説を立てるポイントとしては、ファクト(事実)をベースに「これが正解だろう?」と考えることです。
フェイク情報から仮説を立てれば、間違った答えを導き出してしまいます。
仮説を立てたあとは、可能な範囲で正否を検証していくと、論理的思考力の向上につながります。
鍛え方8.ディベート&セルフディベートを行う
ディベートとは、特定のテーマにおいて肯定側と否定側のグループに分かれて、議論をすることです。
たとえば「年功序列は廃止すべきか」「大学には行くべきか」といったお題で、賛成派と反対派の意見の勝敗を第三者に判断してもらうといったものになります。
なお、セルフディベートという方法もあり、自分の賛成意見と反対意見を競わせることもロジカルシンキングのトレーニングに効果的です。
鍛え方9.フェルミ推定で概算してみる
フェルミ推定とは、論理的思考力を使うことで、調査が難しいものを概算することです。
ただ前提条件として、何かしらの統計データは必要になってきます。
たとえば日本にあるコンビニの数は、「コンビニの来客数」を「コンビニ1店舗あたりの来客数」で割ることで予測できます。
このようにロジカルに考えていけば、少ないデータしかなくても、さまざまな予測に応用可能です。
鍛え方10.ロジカルシンキング本の例題を解く
論理的思考力のトレーニング方法として、ロジカルシンキング本などに記載されている例題を解くことも有効です。
論理的思考の方法論を知ったからといって、実際にロジカルシンキングできるようになるとは限りません。
実際に使えるようになるには、練習として、ロジカルシンキング本などに記載されている例題を解いてみる必要があるのです。
面倒臭いと思うかもしれませんが、この例題を解くことで、ロジカルシンキングの知識が定着していきます。
鍛え方11.ロジカルシンキングの研修や講座を受講する
ロジカルシンキングを鍛えるためには、論理的思考力が高い人から直接学ぶのが効率的です。
具体的には、座学ではなく実践型の「研修」や「オンライン講座」がおすすめできます。
論理の飛躍は、たとえ意識していたとしても、自分1人で気づくことが難しい側面があります。
たとえば「資料を送りましたので、確認してもらえますか?」といった発言は、「資料に不備があるといけないので、確認してもらえますか?」などと言い換えると、より論理的になります。
こういった細かい論理の整合性は、第三者から「論理が少しジャンプしている」といった指摘がないと、気づくのが難しいかもしれません。
鍛え方12.抽象的表現は具体的表現に置き換える
ロジカルシンキングのトレーニングをしていると、話が小難しくなりがちです。
それを防止するためにも、抽象的な表現(曖昧な言葉)は、具体的な表現に置き換える習慣をつけましょう。
抽象的な表現例 | 具体的な表現例 |
コストが大幅に減少する | コストが30%減少する |
インターネットで広告を打つ | Google広告を打つ |
上記例のように、数字(30%)や固有名詞(Google広告)を使うトレーニングがおすすめです。
もし抽象的な表現を使いたい場合は、具体例を加えることで、理解を補強しましょう。
具体性を高めることで、主張がよりクリアになり、説得力も増すでしょう。
ロジカルシンキング(論理的思考力)の鍛え方まとめ
最後にもう一度、ロジカルシンキング(論理的思考力)の鍛え方12選を一覧にします。
- ロジカルシンキングの基本を知る
- ロジカルシンキングのフレームワークを使う
- インプットとアウトプットを繰り返す
- 相手が知りたい結論から先に伝える
- 主張には理由や根拠を添える
- 日常生活なかで論理的思考力を鍛える
- 仮説を立てて行動・検証をする
- ディベート&セルフディベートを行う
- フェルミ推定で概算してみる
- ロジカルシンキング本の例題を解く
- ロジカルシンキングの研修や講座を受講する
- 抽象的表現は具体的表現に置き換える
論理的思考力を鍛えたいと思っている方は、ぜひ上記のトレーニング方法を試してくださいね。
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