不要不急の外出自粛要請を受け、大企業でもオフィス業務からテレワーク業務にがらりと移行しています。そもそもテレワークは、労働人口減対策のために子どもを持つ母親や介護・ケガなどの理由でオフィスで働きたくても働けない方々でもテクノロジーを駆使して働ける環境を提供することが目的です。
”うちには、子どもを持つ親はいないし…”
”テレワークで仕事が出来るはずが無いよ…”
などの理由からか、いまいち取り組む企業は少なかったが、新型コロナウイルスによって一気に普及の兆しを見せています。
今回は、今までテレワークに全く取り組んでこなかった方でも、
明日、テレワーク検討会議が開けるように、抑えるべきポイントとテレワーク実現に向けた解決すべき課題、無料から使えるおすすめツール、補助金・助成金をご紹介します。
おさらいしよう!テレワークとは?
一般社団法人日本テレワーク協会によればテレワークは以下のように定義されています。
テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと
https://japan-telework.or.jp/tw_about-2/
自宅に限ってではなく、コワーキングスペースやカフェ等でも時間にとらわれない働き方のことを指します。
ちなみにテレワークは英語表記はtellwork(電話で働く)ではなく、「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語です。
例えば、子どもが熱を出してしまって看病が必要な時や親の介護などで、就業規則に定められた定時内業務は困難だが、勤務時間を夜や朝方などにずらし且つ在宅で業務を行う。と言った働き方がテレワークです。
テレワーク導入のポイントとは?
テレワークは、在宅勤務でも通常勤務時と同等の生産性が求められます。通常勤務時は、電話・メール・会議等で社内外とのコミュニケーションを、ExcelやPowerPointや業務システムで定常業務を行いますが、テレワークではこれらの業務を自宅で行えるよう整備しなければなりません。
また、業務が行えるだけではなく、当然、勤怠・業務管理を行う必要がありますので、テレワーク実現には次の仕組み実現がポイントとなります。。
テレワーカーが、自宅にいながら普段通りの定常業務が行える仕組み。
管理者が、テレワーカーの勤怠・業務実績を把握’し評価できる仕組み。
テレワーク導入でぶち当たる課題
テレワークの導入には、パソコンなどのハード面の課題と、業務管理などのソフト面の課題があります。それぞれ見て行きましょう。
ハード面の課題
業務で使用するノートパソコン
ノートパソコンが無ければテレワークはほぼ不可能です。業務が全てクラウドで作業できるならば、安価なCromeBookでも問題無いでしょう。私用PCの利用はセキュリティリスクがあるため避けましょう。
携帯電話
サポートセンターなど電話が主業務の場合は携帯電話支給が必須でしょう。 法人用携帯電話はスケールメリットで月額利用料が安価になります。とはいえ、固定費が膨れ上がるため一時的なテレワークであればチャットやメールサポートに一時移行するといった検討をしても良いのではないでしょうか。
インターネット回線
自宅でパソコンを使わずスマートフォンのみを利用しており、インターネット回線を引いていない方もいらっしゃいます。インターネット回線無くしてテレワークは困難のため、現実的な策としてwi-fi端末を支給するケースが多いようです。自宅にインターネット回線がある場合は、回線利用料を支払い利用させてもらうと良いでしょう。 厳密に計算するならば家事按分となりますが、少額のため一律3000円などルールを決めて支給する企業もあるようです。
ソフト面の課題
出勤簿管理
事業所は法定三帳簿(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿)をつけることが労働基準法で定められています。テレワーカーにも当然適用されます。オフィスのようにタイムカードが使えませんので代替できるソリューションを導入しなければなりません。また、メールやチャットでの出退勤把握だけでは、信じたくありませんが、不正が出る場合もあります。厳格化するならばパソコンのログ追跡が必要ですが、ソフトウエアの購入・インストールを要し時間とコストがそれなりに発生します。まずはクラウドの出勤怠管理ツールを試してはいかがでしょうか。
業務管理
多くの管理者が頭を悩ますのはやっぱり業務管理です。普段からタスク表を共有し合って1日のタスク処理量を把握できていればいいのですが、異なる場合や、社歴が浅く業務経験が少ない社員はしっかりと管理・教育をしなければ、事業目的・目標の達成が難しくなります。 タスク共有ツールや業務マニュアルの整備をすると良いでしょう。
全部使っても1人あたり1000円以下!?テレワークに使えるクラウド型ツール3 選
クラウドツ―ルを利用すれば、少ない手間でソフト面の課題をクリアできるかもしれません。実際にツギノテでは、クラウドツールをフル活用してテレワークにチャレンジしています。
また、2020年3月31日現在、コロナウイルスによるテレワーク需要増加を受け、1ヶ月間無料やオプションサービス無料などお得に始められるキャンペーンを展開しているツールもあります。
法人向けGoogleサービス”Gsuite”
言わずと知れたGoogleの法人向けサービスであるGsuiteでは、Googleフォームで出退勤を集め出退勤情報をGoogleスプレッドシートに作った出勤簿に転記するといった勤怠管理を始め、Googleハングアウトでのチャット/ビデオ会議といったコミュニケーションが実現できます。
Gsuiteのサービス詳細はコチラから確認頂けます。
新型コロナウイルス対策での在宅化を進めていることを受け、「G Suite Basic」(1ユーザー当たり月額680円)を含むすべてのプランで、「G Suite Enterprise」(1ユーザー当たり月額3000円)でのみ利用可能な機能を無償提供しています。(2020年7月1日迄)
無償提供される機能
- 最大250人が同時参加できるビデオおよび音声会議(Hangouts Meet)
- ドメイン内での最大10万人に配信できるライブストリーミング
- Googleドライブへの会議記録
国産チャットツール”ChatWork(チャットワーク)”
オンラインコミュニケーションはその手軽さからチャットが主流になりつつあります。ビジネス利用のチャットツールはいくつかありますが、無償且つ使い勝手が良いのがチャットワークです。
チャットワークの利点は次の通りです。
- 5グループまでなら、無料で利用可能。
- ビデオ会議も可能。
- 取引先等、外部の方も含めたグループを作成可能。
- xlsファイルの送受信などもOK。
Chatworkのサービス詳細はコチラから確認頂けます。
現在、テレワーク・リモートワークを推進する企業を⽀援する⽬的で、Chatworkの「ビジネスプラン(500円/1ユーザー)」または「エンタープライズプラン(800円/1ユーザー)」が1ヶ⽉間無償提供されています。
申込締切は4月30日迄。
クラウド型勤怠管理ツール”ジョブカン勤怠管理”
ジョブカン勤怠管理は、GPS情報を付加した打刻、PJ毎の工数管理が出来る点がテレワークの出勤簿管理・業務管理の課題解決に有用です。
EXCELなどで出勤簿フォーマットを作る手間を考えれば、ジョブカンの機能にアジャストするのも効率的かもしれません。ジョブカンの費用は1ユーザー200円からと安価なのも◎。
ジョブカンのサービス詳細はコチラから確認頂けます。
テレワーク関連の補助金・助成金について
テレワーク関連には様々な助成金がありますが、今回は新型コロナウイルス感染症に伴い特別に新設された助成金を2つご紹介します。是非、お役立てください。
時間外労働等改善助成金
新型コロナウイルス感染症対策のために、テレワークに取り組む中小企業への助成金です。テレワーク用機器の導入・運用(パソコンは不可)、就業規則の作成・変更などに伴う謝金・委託費等が対象経費の2分の1(上限100万円)が助成されます。
- 行政機関:厚生労働省
- 助成の対象期間:令和2年2月17日~5月31日
- 申請書の提出期限:令和2年5月29日
計画の事後提出が可能。2月17日移行の取り組みで交付決定より前のものも助成対象にされるので検討してはいかがでしょうか。
事業継続緊急対策(テレワーク)助成金
感染症の拡大防止及び緊急時の事業継続対策として在宅勤務等を可能 とする情報通信機器等の導入によるテレワーク環境の整備に掛かった経費に対して助成率10分の10(上限250万円)が助成されます。 パソコン、スマートフォン、携帯電話も助成対象です。
- 行政機関: (公財)東京しごと財団
- 助成の対象期間:支給決定以後、令和2年6月30日までに完了する取り組み。
- 申請書の提出期限:令和2年5月12日
2020TDM 推進プロジェクトへの参加(対象サイトに自社名が記載されている状態)が申請条件に加えられておりますので、既に参加されている企業様は検討されてはいかがでしょうか。