企業認定制度とは?7つの有名な企業認定制度をご紹介

企業認定制度を知っていますか?

厚生労働省や経済産業省といった行政の企業認定を取得することは、いわば「国からのお墨付きをもらう」ようなもの。難易度は高いですが、企業認定を取得できれば企業イメージの向上による優秀な人材の確保や入札案件への参加など多くのメリットがあります。

本記事では、企業認定の取得がおすすめの理由、および、7つの有名企業認定制度の概要・メリットについて解説します。

企業認定を取得するメリット

まずは認定を取得するメリットを押さえておきましょう。認定取得メリットは「クライアントからの信頼獲得」「求職者からの信頼獲得」「優遇措置などの特典獲得」の主に3つです。

1.お客様からの信頼獲得

企業認定取得の証明として付与される「認定マーク」は、会社のパンフレットやHP、名刺などに掲載可能。取引先・お客様は、認定マークのついたパンフレットやHP、名刺などを目にすることになり、信頼やイメージの向上につながります。

2.求職者からの信頼獲得

企業認定されていることは、求職者にとっては応募判断材料の一つになります。「会社は従業員を大切にしている」「時流に合った施策を行っている」といったことは、信頼できる会社か見極めるキーポイントになるでしょう。

3.優遇措置などの特典獲得

公共調達・低金利融資・税金の一部控除など、さまざまな特典を獲得できます。

企業認定制度一覧

企業認定制度は、「国が実施している制度」と「民間団体が実施している制度」の大きく2つあります。そのなかで、今回取り挙げるのは信頼性の高い「国が実施している制度」です。
厚生労働省・経済産業省が管轄する7つの企業認定制度を紹介します。

  1. えるぼし認定制度(厚生労働省)
  2. 健康経営優良法人認定制度(経済産業省)
  3. ユースエール認定制度(厚生労働省)
  4. 安全衛生優良企業公表制度(厚生労働省)
  5. くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマーク(厚生労働省)
  6. なでしこ銘柄(経済産業省&東京証券取引所)
  7. DX認定制度(経済産業省)

えるぼし認定制度

厚生労働省が管轄する「えるぼし認定」とは、女性活躍推進法に基づき、一定基準を満たし、女性の活躍促進に関する状況などが優良な企業を認定する制度です。女性活躍推進法は、労働人口の減少に伴い、働くことを希望する女性が、自信の能力および個性を十分に発揮する社会の実現を目指し、平成28年(2016年)に成立した法律です。「えるぼし認定」があれば、女性が活躍できる会社である証になります。

「えるぼし認定制度」のメリットは、大きく2つ。

企業イメージの向上

女性に配慮がある会社という証明になるため、社会的なイメージ・求職者のイメージがよくなります。

さまざまな優遇措置を受けられる

公共調達における加点評価・日本政策金融公庫による低利融資・両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)の適用などの優遇措置があります。

えるぼし認定制度の詳細は、こちらから。

健康経営優良法人認定制度

経済産業省が管轄する「健康経営優良法人認定制度」とは、ひときわ優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等を表彰する制度のこと。健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。つまり従業員の健康状態に配慮のある会社という認定制度になります。

健康経営優良法人の認定を受けるメリットは、主に2つ。

企業イメージの向上

従業員の健康状態を考えてくれていることの証になるため、「ホワイト企業」というイメージがつきやすくなります。

従業員のパフォーマンス向上

従業員が健康であれば、仕事にもいい影響を与え、生産性向上などにつながります。

健康経営優良法人認定制度の公式サイトは、こちら

ユースエール認定制度

厚生労働省が管轄する「ユースエール認定制度」とは、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を認定する制度です。ユース(youth)は若者、エール(yell)は声援であり、ユースエールは若者に声援を送るといった意味が込められています。

厚生労働省は、ユースエール認定制度の5つメリットとして、「ハローワーク等で重点的PRの実施」「認定企業限定の就職面接会等への参加」「自社の商品、広告などに認定マークの使用が可能」「日本政策金融公庫による低利融資」「公共調達における加点評価」を挙げています。

ユースエール認定制度の公式サイトは、こちら

安全衛生優良企業公表制度

厚生労働省の「安全衛生優良企業公表制度」とは、労働者の安全・衛生(健康)確保のために積極的な取り組みを行っている優良企業を認定・企業名を公表する制度です。健康保持増進対策・メンタルヘルス対策・過重労働対策・安全管理などをしっかり行なっている企業は、厚生労働省が3年間認定するという主旨になります。

厚生労働省は、5つのメリットとして「企業イメージの向上」「社員の働く意欲向上」「求職者へのPR」「取引先へのPR」「安全・健康確保による生産性の向上」の5つを挙げています。

安全衛生優良企業公表制度の公式サイトは、こちら

くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマーク

厚生労働省の「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマーク」は、次世代育成支援対策推進法により、“子育てサポート企業”としての認定を受けた証です。要するに、育児休業しやすい会社であるという証明になります。

それぞれのマークの認定基準の例は、下記になります。

くるみんの認定基準例

男性の育児休業等取得率10%以上、男性の育児休業等・育児目的休暇取得率20%以上

プラチナくるみんの特例認定基準例

男性の育児休業等取得率 30%以上、男性の育児休業等・育児目的休暇取得率50%以上

出産した女性労働者及び出産予定だったが退職した女性労働者のうち、子の1歳時点在職者割合70%

トライくるみんの認定基準

令和4年度改正前のくるみん認定で、上記基準よりも達成しやすい基準(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/jisedai.pdf

育児休業しやすいため、従業員の満足度・定着率の向上が期待できるのがメリットです。また求人応募も増えることが予想されます。

くるみん・プラチナくるみんの公式サイトは、こちら

なでしこ銘柄

「なでしこ銘柄」とは、女性人材を積極的に活用するなど、女性活躍推進に優れた取り組みをする上場企業を、経済産業省が東京証券取引所と共同で選定する制度です。「なでしこ銘柄」という名前は、サッカー日本女子代表チーム「なでしこジャパン」にちなんでいます。なお平成24年度から実施されている制度です。

経済産業省によると、女性活躍推進に優れた上場企業を「中長期の企業価値向上」を重視する投資家に魅力ある銘柄として紹介し、そうした企業に対する投資家の関心を一層高め、各社の取り組みを加速化していくことが狙いなのだとか。

なでしこ銘柄の公式サイトは、こちら

DX認定制度

経済産業省が管轄する「DX認定制度」とは、2020年5月15日施行の「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律」に基づいた認定制度です。わかりやすく言うと、DXを推進に向けた準備が整っている事業者を認定する制度になります。なお「DX認定制度事務局」は、独立行政法人「情報処理推進機構」です。

(画像引用元:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-nintei/dx-nintei.html

DX認定を受けるメリットは、DXを推進していることをPRでき、企業イメージの向上を図ることができます。またDX投資促進税制の税額控除を受ける権利を獲得できます。一定の要件を満たすことで、税額控除(3~5%)または特別償却(30%)が可能になるということです。

DX認定制度の公式サイトは、こちら

まとめ

企業認定を取得する主なメリットは、「お客様からの信頼獲得」「求職者からの信頼獲得」「優遇措置などの特典獲得」の3つです。

また、企業認定を目指して行動することそのものが企業の成長ドライバーになるかもしれません。